聞いていたのと話が違う、、、
ブログ担当の酒井です。
現場に行ってみると/原稿を受け取ってみると、クライアントから聞いていたのと話が違う、、、なんて経験はないでしょうか。
逐次通訳だと聞いていたのに同時通訳を求められた、資料はないと聞いていたのに会場の机には資料がズラリ、、、
10時に翻訳原稿を送ると言っていたのに12時を過ぎても届かない、そして納期は当初の通り、、、
案外、よくある話です。そんな時、通訳者、翻訳者はどんな風に対応するのが正解なんでしょうか?
これは僕が通訳コーディネータ時代に実際に起きた事例ですが、逐次通訳だというのに同時通訳を求められた、というか、通訳者としては逐次通訳だと「間に合わない」という判断で同時通訳をした、、、
そして逐次通訳の予定だったので1人体制、交代するパートナーもいない、休憩も満足に取れない、、、
なんてケース。もしかするとこの描写を読んだだけで「あの時」のことを思い出して怒りが湧いてきたり、経験はないけど「勘弁してくれ」なんて方もいるかもしれません( ̄▽ ̄;)
翻訳だってやっぱり実際にあったことです。「さみだれ入稿」と呼ばれる形ですが、原稿が一度にポンと入ってくるのではなく、何回にも分けて入ってくるケースだと、原稿の入手自体がどんどん遅れてくる、なんてことも普通に起きます。
あとは、翻訳チェック。チェックを引き受けて予定通りにチェック用訳文は入ってきたけど、、、
「なに、この翻訳、、、チェックじゃすまない、、、(再翻訳レベル)」
なんてことも。
いやいや、僕自身、いま書いていて当時を思い出してゲンナリしてきました(-_-;)
いろんな対応は考えられると思いますが、いちばん極端なのは「話が違う」と断ってしまうこと。通訳ならもう通訳せずに帰っちゃう。翻訳なら「できません」と返信する。
かなり強烈ですが、それぞれ何度も経験があります。(その後の苦労たるや・・・)
とはいえ、できればこの対応は避けたいところ。「もうこのクライアント(エージェント)とは取引しなくていい!」くらいの気持ちであればひとつの選択肢ですが、、、
これは「そうしなさい」ということではありません。ありませんが、もし、どうにか対応が可能そうであれば、「恩を売るチャンス」と捉えて対応しちゃうのもひとつです。クライアントを「助けてあげる」という感じですね。
もちろん「どう考えても無理」なんてものもありますから、その場合ははっきりと「できません」と答えてしまった方がいいでしょう。
ですがその場合でも、「できません」とだけ言うよりも、条件付きで選択肢を出してあげることができればベターかと思います。例えば納期をいつまで延長すれば、とか、ここまでの分量であれば、とか。
こうした「起きてしまった時にどうするか」と言う対応はそれこそその内容や相手との関係性によって無数に選択肢があるのでここで「正解」や「最適解」を言うことはできませんが、少なくとも「当初の条件とは違っている、違っていた」ということはクライアントには伝えてもOK、というか、伝えるべきかなとは思います。
ただ自分が我慢すればいい、頑張ればいい、と考えてしまう方もいると思いますが、僕らがやっているのは「ビジネス」なので、向こうの条件が変わればその他の条件も変わってもおかしなことではありません。
それに何より、そうした事実をクライアント側も理解していないケースがありますから、よくないパターンとしては「次回もまた同じようなことが起きる」という可能性を残してしまいます。(かといって伝えれば再発の可能性がゼロになるわけでもないのですが・・・)
中には「我慢してしまう、言っていいんだろうか、あの対応はどうだったんだろうか、、、」なんて悩まれる方も見てきたので書いてみました。
僕らがやってるのは「ビジネス」。それを念頭に置けば、条件の変更で対応が変わるのもNGではない、という考え方になるはずです。