翻訳会社のトライアル採点の流れは?

ブログ担当の酒井です。今日もいただいたご質問にお答えします。(ご質問者様へ:ご回答まで時間が空いてしまいました、申し訳ありません)

翻訳会社のトライアルの流れについてのご質問です。

 

いただいたご質問は以下。

こんにちは。いつも有益なお話をありがとうございます。先日いくつかトライアルを受けました。翌日に速攻で不合格通知が来た会社、3週間後までに結果通知しますという会社、10日くらい経ってサラッと合格通知が来た会社など色々でした。翻訳会社のトライアル採点はどのような流れでされているのでしょうか?致命的な誤訳、仕様ミスなど大きなエラーは無かったと思うので、翌日に不合格通知が来た会社は何をもって不合格としたのか気になります。

 

 

トライアルの流れ・・・ですが、基本的にはどの翻訳エージェントも似たような、そしてきっとあなたが想像するような流れと大きく違わないと思いますよ。

トライアル訳文を受領する、それを担当チェッカーが評価する、というものです。

ただし、乱暴な言い方をすれば『しょーもない訳文』に人件費をかけたくない、というのも事実です。そのため、応募者が多い場合などはその『人件費をかけない』工程、つまり、できるだけ短時間で判定する、この場合は『しょーもない訳文』を短時間で切り捨てる工程やチェック項目を設けたりします。

例えば、訳文提出メールの件名が指定と違っている、訳文ファイルのファイル名が指定と違っている、必要書類の添付がない、メールの本文の文章がおかしい、レイアウトが崩れている、など、要は『外国語がわからない人間でも判定できる』項目というものです。これなら、時間単価が高い(はずの)翻訳者やチェッカーでなくても、メールを受け取るアルバイトでも『これ、不合格』と判定することができます。

あとは、原文との整合性ではなく、訳文だけをパッと読んで読みにくければそれだけで不合格にすることもあります。翻訳以前の訳文文章力の問題ですね。英日の場合、日本語読めれば判定できる内容です。

そういう意味で、応募者が多そうな翻訳エージェントやトライアル案件ほど、もしかしたら翻訳者が『本質ではない』と考えてしまうかもしれない『翻訳以外のささいなこと』で切り捨てられてしまう可能性が高まります。もしかすると翻訳文そのものは完璧、文句のつけどころのない宝石みたいなものだとしても、入れ物(上に書いたようなパッと見で判断される項目)がビニール袋のために中身もゴミだと思われて開封されることなくゴミ箱行き(トライアル不合格)に・・・ なんてことも、あるかもしれません。

※念のため補足。上に書いたような項目もすべて『本質』ですよ。翻訳だけ良ければいいってわけじゃありません

ご質問いただいた翻訳者さんは『致命的な誤訳、仕様ミスなど大きなエラーは無かったと思う』と書かれているので今回の話に該当しないのかと思いますが、ひとつの情報として書きました。翌日ってのはちょっと異常に早い気もしますが・・・(^^;)

トライアルが実施された状況にもよりますが、『常に募集しています』というものに対するトライアルであれば『既定の評価項目に照らして合否判定』ですが、ある特定の案件に対してのトライアル募集であれば、評価は『相対的』になりますので、いかに自分にとって『OK』なものでも、隣の翻訳者がに『ベター』なものを提出していれば不合格になってしまいます。ただその場合は他の案件を依頼したいと思うのでその辺のフォローはするようにしていましたけど。

 

ひとつ、アドバイスするなら・・・

翻訳のトライアルですから、翻訳者としては『翻訳の質を高めなくては、翻訳の質がもっとも重要だ』と考えるのは当然です。当然ではあるんですが・・・

翻訳エージェント側としては、求めているのは『翻訳者』ですが、本質的には『ビジネスをする相手、取引をする相手』を求めています。そう考えた時に、メールの文章がおかしい、お願いしていたこと(細かい仕様など)を守らない、なんて項目もいかに重要になるか、伝わるかと思います。

トライアルに臨む際は『信頼できる翻訳者である』ことをアピールするのは当然として、『信頼できるビジネスパートナー、取引先、仕事相手である』ということも、しっかりと伝えるように意識してみてください。

ちょっとした行動が変わってくると思います。

 

 

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