翻訳文は「商品」?それとも「作品」?

ブログ担当の酒井です。

あなたの翻訳文は、「商品」ですか?それとも「作品」ですか?

 

ネットサーフィンをしていたらこんな記事(ネタ?)がありました。

とあるイラストレーターに仕事を依頼した時のトラブル。

小さなイベント用のイラストをお願いした時にもめてしまった事があった。理由はイラストレーターが納期を守らなかった事。納期から2日以上過ぎてイラスト完成の連絡が来ないから心配して連絡するも「仕事で忙しいから遅れる。もう少し待ってください」と物凄い強気な態度。

こっちも段取りがあるので納期は守ってくださいと説明しても「描いてるのはこっちです。それが人に物を頼む態度ですか」と聞き入れてくれない。

納期が守れないなら他のイラストレーターに依頼しますと連絡を入れたら烈火のごとく怒り出し、こりゃ仕事にならないなと上司に相談した結果丁重に依頼を断る事になった。

この投稿に対して他の人が投稿してた内容が以下。

仕事と思ってないんだよ、芸術と思ってるイラストレーターとかには多いよ、その手の人うちの会社も以前は社内に部署持ってたけど、いざ人を雇おうとすると芸術家気取りしか来ないからもう外部の絵専門会社に依頼する方向に切り替えたわ

だいたいが、指示を守らないからね。客が望んでるのは君のオリジナリティ溢れる傑作じゃなくてそこらにありがちでキャッチーで既存の売れてる作品に似てるものでも芸術家くんはそこんとこ理解しない

それならしっかり仕事してくれる人材揃えてる会社に頼んだほうが早いし確実

 

もう15年近く前、クリエイター系専門学校で、「イラストレーターという仕事はクライアントの希望するイラストを描く仕事であって、あなたのイラストを描く仕事ではない」と初っ端の授業で先生が放った言葉。なるほどと思ったのだけどその頃から釘さしてても、イラスト学科の子達は自分の絵柄ばかり押し出す子が多かったなぁ。

 

翻訳の場合はここまで極端なことはないと思いますが、クライアントに噛みつく代わりに、ついつい訳文にこだわり過ぎて全体の納期が押してしまう(後半が急ぎ仕事になる)とか、納品はできても計算してみるととんでもない時給(低いってことです)になってしまうとかいうことはありがちです。

これを防ぐには、自分の翻訳文をちゃんと「商品を作っているんだ」と認識するところから始めてみるといいでしょう。「作品」と思ってしまうこと、思いたい気持ちもとてもよくわかるのですが、クライアントがいる限りは届けなくてはいけないのは「商品」です。

クライアントが求めるのは「品質向上」ではなく「品質管理」です。一定の品質が担保されていれば、120点じゃなくてもいいのです。

翻訳後の見直し=チェックもミスがない様に、さらに表現をよくするために見直したくなりますが、その工程を「検品」と言い換えるくらいの意識を持って臨むと、チェックするポイントやかける時間もより適切になっていくかと思います。

あなたが取り組んでいるのは、「商品の生産」でしょうか、「作品作り」でしょうか?

どちらもあり得ると思いますが、その区別だけはしっかりと付けておきましょう。

 

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