通訳者、翻訳者に求められる「専門知識」のレベルとは

ブログ担当の酒井です。

「専門性」ってどれくらい必要なんでしょうか?

 

通訳者、翻訳者に必要なもののひとつに『専門性』があります。どの分野、カテゴリの通訳を得意としていくか、ですね。今日の記事ではわかりやすい&専門性が高いとイメージしやすい『医療分野』を例に挙げてみました。

日本語能力と外国語能力があれば通訳ができるわけではありません。酒井がお医者さんが普段使っている専門用語を理解できるかというと、日本語だって理解できないんですから、専門知識は言語能力とは別物ですね。

では、その専門知識、、、どのくらいのレベルで持っておけば良いのでしょうか?なんてこと思ったことありません?

とにかく、専門家にも負けないほどの知識が必要?それとも、そこまでは求められない?

いろんな考え方があるでしょうが、それこそ『どんな業務で通訳したいか』という点によります。医療分野と言っても、ドクターが集まるカンファレンスではドクター同士が話す、使う用語をバッチリ理解しておく必要がありますが、ドクターと患者の接見・診察時の通訳であれば、ドクターも医療知識を持っていないという前提の患者に向けて説明するのですから、専門用語をできるだけ使わず、わかりやすく説明してくれるはずです。そこで専門用語を使って通訳をしだすと、患者側が理解できなくなりますよね。

 

そして、ここまでが通訳の仕事を『するとき』のハナシ。

ここからは通訳の仕事を『獲得するとき』のハナシも少し。

 

通訳コーディネータにアプローチをするとします。

一般的な通訳コーディネータは、『医療知識』を持っているでしょうか?程度の差こそあれ、多くの通訳コーディネータは持っていませんよね?一般人レベルかと思います。

そして、その一般人レベルの知識の通訳コーディネータに対して、『専門用語』を使ってアピールすると、どうなるか?・・・患者の例と同じで、理解できません。でも、『この場合はそれでOK』です。だって相手には『私は専門知識があるのよ』と思って欲しいんですから、多少わからない用語を散りばめた方が、「へー、良く知ってるなぁ」と思ってもらえます。

しかし・・・

ここで意識しておくべきは、ある一定以上の知識になると、知識のない通訳コーディネータにとっては『ぜんぶ同じ』になってしまうことです。

あなたがドクターと同じ、もしかしたらそこらのドクター以上の知識を持っており、他の通訳者の知識レベルとは比較にならないとしましょう。『あの人、医療分野の通訳者って言ってるけど、こんなこともまだ理解していないのに』なんて思う人もいるかもしれません。

でも、でもですよ、通訳コーディネータにとっては『あなたもその人も違いはない』ことを理解してください。どちらも『難しい話してるな、きっと専門知識持ってるんだろうな』と思われているだけで、あなたの方がもっと良く知っているな、なんて思っていません。だって判断できませんから。

そうなると、実は仕事を『獲得するとき』においては、あまり知識レベルの差が意味を持たなくなってしまうかもしれません。

いかにあなたと他の方の知識レベルが違うのか、シロウト(あえてこう書きます)の人にもわかるような伝え方をしないと、まったく伝わらないってことです。

酒井のマーケティングでは、常に『顧客を知る』ことを伝え続けていますが、ここをスキップしてしまうと、独りよがりな知識の見せびらかしになってしまう、、、なんてこともあるかもしれませんね。