専門分野の決め方

ブログ担当の酒井です。

通訳や翻訳の専門分野を決める時にはどんなことを考えるべきでしょうか?

 

世の中のあらゆる分野をカバーすることはできない限り、どこかで通訳者・翻訳者としての自分の専門分野・得意分野を決めて、その分野に関する知識を中心に伸ばしていく必要があります。

専門分野を選ぶ際にまず考えるのは、「いまのあなた」が得意なこと、よく知っていることをベースにするのが一般的でしょう。薬学部出身なら薬事薬剤分野、銀行勤務経験なら金融関連分野など、過去の経験で培った知識をもって「専門分野」としていくわけです。

ただし、通訳翻訳をビジネスとして考えるからには、自分が得意な分野ならいい、というわけではありません。その選択に際しては、いくつか考えるべき要素があります。

  1. 現時点でのマーケットの大きさ
    いくらあなたがパンを焼くのが大好きで、例えばパン教室を開催できるくらいの知識と腕前を持っているとしても、「パン分野」での通翻訳の市場なんてほとんど存在しないことはわかりますよね?
    ビジネスはマーケット、需要があってナンボ。その分野に通翻訳のマーケットとしてどの程度の大きさがあるのかはちゃんと見極めましょう。
  2. 今後のマーケットとしてのポテンシャル
    現時点でのマーケットの大きさだけではなく、今後の通翻訳マーケットとしてのポテンシャルも考慮に入れておくとモアベターです。いまはまだ一般的にはなっていない、でも数年後には盛り上がってきそうな技術や業界を見つけることができれば、いまから勉強しておけばその分野での第一人者になることも可能です。こういうところは株とかに似てますね。
  3. 流行を意識しすぎない
    矛盾するようですが、「これから盛り上がりそう」と思える分野でも、ブームになってあっという間に消え去る可能性だってあります。流れを意識することは大事ですが、流行は意識しすぎないようにしましょう。
    もし「ちょっとこれは一過性の盛り上がりになるかも・・・」なんて心配があるなら、その分野の捉え方を一段大きくしてみる(リフレーミング)と、大枠ではもう少し長持ちするようになるはずです。(例:仮想通貨が流行るだろう → ブロックチェーンについて知識を仕入れておこう…)
  4. 「絞り具合」を調節する
    「ビジネス分野」なんて言っても何も言ってないのと同じです。あまりに枠が広すぎるからですね。そういう場合はその分野をもう少し細分化して絞っていきましょう。ビジネス → 金融 → 銀行 → 国際業務 → 外国為替取引業務、など。
    ただし、ここで絞り過ぎると上に書いた「マーケット」があまりに小さくなってしまうので、その辺のバランスを見ながらどう伝えるかを調節する感覚が大切になってきます。
  5. 自分が興味を持てるかどうか
    今日の最後に書きましたが、やっぱり最終的にはあなたが興味を持って学び続けることができそうかどうかはとても重要な基準です。
    通訳や翻訳はずっと勉強し続けていくことが必要なお仕事です。興味を持てないことをずっと勉強し続けるのはしんどいですから、自分が勉強していて楽しい、面白い、と思える分野があれば、それを専門とできないか、その分野のマーケットとしてのポテンシャルはどのくらいなのか、なんて順番で考えてみるといいでしょう。

「〇〇と言えば△△さん」とまで言ってもらえるようなブランディングができると通訳者、翻訳者としてはかなり有利です。〇〇に入る、入れたい分野、ぜひ考えてみてください。

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