そのこだわりは誰のため?
ブログ担当の酒井です。
通訳者、翻訳者というお仕事に誇りを持っている方も多いと思います。自然とこだわりも出てくるものです。中には「通訳」「翻訳」の区別、使い分けにもこだわっている方も。
でも、そのこだわり、誰のため?
通訳コーディネータ時代、海外のクライアントや通訳エージェントとやり取りをすることがありました。英語でのやり取りになるのですが・・・
僕は通訳者を手配して欲しいので、当然メールでも「interpreter」と書きます。そしたら相手からはかなりの確率で「translator」の話題になって返ってきます。これ、最初はすごーく不安でした。
「いやいや、こっちは現場にでてスピーキングをしてくれる interpreter が欲しいねん。在宅で翻訳をする translator の話ちゃうねん」
念のためにこんな確認をしたこともあります。
でも、そのうちにわかってきました。海外のクライアントや通訳エージェントは僕らが日本で厳密に「通訳=interpreter」「翻訳=translator」と使い分けてるほど気にしてないってこと。どちらも一緒くたに「translator」と表現するようだ、と。(絶対じゃないでしょうが少なくとも僕の経験ではそう)
そのうちこちらも気にせずに「translator」で流すようになりました。自分が書くのは違和感があったので「interpreter」で通してましたけど笑。
さて、通訳者さんの中にもすごくこだわる方がいます。
通訳コーディネータという立場の僕の場合は「業務や連絡に行き違いがあってはいけない」という理由で多少のこだわりはありましたが、上に書いたように業務に支障がなければ流す程度です。
通訳者さん本人の場合はおそらくそんな僕とは違って「職業的なこだわり」が大きい気がします。「translator」と「interpreter」は違うものなんだと。どちらが上とか下とかじゃなくて、何かこだわりがあるんでしょう。
そんな時に思うわけです。
「・・・そのこだわりは、誰のため?」
まあ、もっと言えば「それって、ビジネスにプラス? クライアントにとってプラス?」ということなんですけど。
中には「自分のこだわり」にこだわり過ぎて結果的にお仕事に支障が出る場合もあります。翻訳チェッカーが自分の「表現」にこだわって、アクセプタブルな訳文をどんどん修正しちゃう、なんてケースですね。気持ちはわかりますが、困っちゃうわけ。
お仕事に誇りを持ってこだわりを持つことはとても大事ですが、独りよがりにならないように気を付けたいところですね。
ちなみにいつも読んでいるブログでこんな記事がありました。「通訳翻訳業界に関わらない一般の方はそんな認識だよねー」とよーくわかった気がしました(^_^)
アメリカの車道は、日本とは反対で右側を走ります。そして、信号待ちをしている時、誰もいないことを確認できたら、右折をしても良いのです。先日の米国出張で知りました。
〇〇
「え、この車、赤なのに進んだぞ、、、」翻訳者
「あぁ、それはね、アメリカは日本と違って、これがokなのよ」〇〇
「え、そうなんですか」さすが自由の国アメリカ。
ね、ほんとは明らかに「通訳者」ですけどね。でもここにこだわる意味って、あまりないように思います(^_^)