「仕事の前後」をイメージすれば差別化できる

ブログ担当の酒井です。

ご多分に漏れず、通訳者、翻訳者にとっても「差別化」はとても重要です。

 

なんて書きながら「そんなことはわかってます」って声が聞こえてきそうですが・・・

では、あなたはどんな風に他の通訳者、翻訳者と自分とを差別化していますか?

  • 通訳スキル
  • 翻訳スキル

くらいはすぐに思いつくでしょうか。

ただ・・・

これだと他の通訳者、翻訳者と差別化を図るのはかなり厳しいと言わざるを得ません。なぜなら通訳スキルも翻訳スキルも「可視化できない」からです。

「わたしの方があの通訳者さん/翻訳者さんよりも高い通訳スキル/翻訳スキルを持っています」と思っている場合でも、じゃあそれをどうやって「証明」するかを考えないといけません。「あの人は60、わたしは90」なんて証明はできませんよね?

それに、通訳スキルも翻訳スキルも可視化できない上に、他の通訳者・翻訳者も磨き続けています。あなたが10成長したとして、他の通訳者・翻訳者もサボっているわけではありませんから、その間に競合も同じくらい、またはそれ以上に成長しています。

となれば、「通訳スキル、翻訳スキルでの差別化」はかなり大変だってことがわかりますよね。それは「スキルアップ=品質の向上」であって、差別化にはなりえません。

 

  • 専門分野

では、通訳や翻訳の専門分野はどうでしょうか。差別化になりうるでしょうか。

その分野に対応している通訳者、翻訳者があなたの他にほとんどいない、そういう分野であればそれはもちろん差別化になります。真似できませんからね。

ただし、その分野に対応している通訳者・翻訳者が少ないのには当然理由があって、中には「難解で特殊」という理由もあるかもしれませんが、それよりなにより「ニーズが少ない、市場が小さい」からです。ということは、すでにその分野に対応している立場、いわゆる「先行者」であればいいのですが、いまその分野に取り組んでいないのであれば「これからその分野を勉強して差別化しよう」と思っても仕事がないので意味がなくなる可能性もあります。

ということで、専門分野も差別化の要素にはなりますが、差別化のために専門分野を選ぶ、というのはちょっと難しさがあります。

 

差別化をするには「他の通訳者・翻訳者がやっていないこと」をやる必要があります。他の通訳者がやっていること、すぐに思いつくようなことでは差別化のタネにはなりにくいわけです。

じゃあ、どうすればいいのか? どんな要素で他の通訳者・翻訳者と差別化を図ればいいんでしょうか?

ここでおススメしたいのは、あえて通訳、翻訳「以外」の要素を考えてみることです。

通訳者は通訳に関する努力や品質の向上を図っていてあたりまえ、翻訳者の場合も同様ですね。だからこそ「それ以外」に目をつける通訳者、翻訳者ってあんまりいないものです。

もう少し掘り下げれば、「通訳の仕事」「翻訳の仕事」の「その前後」に、クライアント、通訳コーディネータや翻訳コーディネータのためにできること、できそうなことはないでしょうか。

 

例えば通訳の仕事なら通訳資料を手配されると思いますが、紙で出力して配送してくれる通訳エージェントであれば、「紙の資料は結構です、データだけいただければこちらで印刷します」と言ってあげれば通訳コーディネータとしては大助かりです。翻訳の仕事なら、例えば翻訳後に発生する編集作業をキレイに仕上げてあげる、なんてことをしてあげれば翻訳コーディネータは助かるでしょう。(ここでは無料でやろうとかそういう話はしていません。念のため)

こんな風に「通訳、翻訳の仕事の前後に発生する仕事(工程)」に注目してみると、意外に「他の通訳者、翻訳者がやっていないけどあなたができること、やってもいいこと」が見つかったりします。

ぜひ何かそういうものがないかどうか考えてみて下さい。差別化ってそういうところからできたりします。

 

------------------------------

<リアルタイムでメルマガを受け取りたい方はコチラから>

メールアドレス 必須です


------------------------------