通訳者としての黄金のキャリアパス(・・・?)
ブログ担当の酒井です。
通訳者のキャリア形成のヒントについて書いて欲しい、とリクエストをいただきました。
それこそ無限のパターンがありそうですが、「一例」を挙げながらパラパラと書いていきますね。
キャリア形成、キャリアパス、キャリアプラン、いろいろ呼び名はあるけれど・・・
その前に。
どこを目指しているのかハッキリさせましょう。
上に書いたようなキャリア形成、キャリアパス、キャリアプラン、どれも「道筋」「手段」です。キャリアを形成することが目的ではないはずだし、そのキャリアパスを通ることが目的ではないはずだし、キャリアプランを立ててその通りに実行していくことが目的ではないはずです。
どこに向かいたいのか? 行き先、目的地を最初にイメージすることが必要です。
じゃあここでは、例えば「そこそこ稼げるフリーランス通訳者」を目的地として見ましょう。その場合は、以下が「通訳者キャリアの黄金パターンと言われる」と、通訳者さんから聞いたことがあります。
- 会社に勤めながら通訳学校に通う(会社で通訳や翻訳ができるならベターだが最初からは難しいので必須ではない)
- 通訳学校で「それなりのスキル」が身に着いたら「社内通訳」として通訳や翻訳ができる仕事に就く。その際の業界や分野は自分が得意、興味がある、そして「(通訳ニーズの)将来性がある」ところを選ぶと良い(社内通訳1社目)
- その会社の分野や業界にそれなりに精通し、実践で通訳スキルも向上してきたら、他の企業に転職する。その際の業界はそれまで勤めていた企業の業界や分野から「少しずらす」と良い。そうすることで対応分野の幅が広がる(社内通訳2社目)
- もう一度同じように転職する(社内通訳3社目)
- 3つの企業の社内通訳者としてそれぞれ3年ずつほど、計9年ほど勤めたらいよいよ通訳者として独立する(フリーランス通訳者1年目)
つまり、フリーランス通訳者として独立する前に、社内通訳者として3社(3業界)9年経験を積みましょう、ということですね。これが「フリーランス通訳者としての黄金のキャリアパターン」と言われている(または言われていた)そうです。
ただ、これが正しいなんて誰にも言えないので、「あくまで参考まで」と読んでおいたらいいと思います。
・・・いちおう上の言い方を補足しておくと、別に僕はこれが「間違い」とか「正しくない」と言いたいわけじゃありません。「誰にとっても共通する“正解”なんてものは存在しない」と思っているだけです。
上の通りにしたのに思ったような通訳者になれない、うまくいかない、なんてこともあるでしょうし、一方で「本当にその通り!このキャリアプランでわたしはいまの大満足の状態を手に入れることができた!」という通訳者もいるでしょう。
その上で、最初はだれしも「わからないことがわからない」という状態からスタートしますから、お手本というか、サンプルというか、フレームワークというか、そういうものを集めて参考にするのはかなり時間の短縮に繋がりますから大切です。
「誰かが決めて」くれたらその瞬間は楽ではありますが、結局は自分のことは自分がいちばん真剣に考えていますし、そうあるべきだし、自分で決めていくしかありません。
・・・あれ、何の話でしたっけ笑?