ミスをしたらすぐ干される?
ブログ担当の酒井です。質問をいただいたのでご回答します。
ミスをしたらすぐ干されちゃうもの?
いただいた質問は以下の通り。
通訳、翻訳の仕事はミスがあってはならないと思いますが、万が一ミスをしたとして、果たしてすぐに干されてしまうものでしょうか? 知り合いの方が、ミスをした覚えはないが、突然仕事依頼がなくなったと言っていたので…。
まず、、、本来なら「ミス」を定義しておかないとな、と思うのですが、質問フォームからのお問い合わせはいつもこの点は割愛せざるを得ません(^^;)
何をもって「ミス」というのか。それは本人が「今日は失敗しちゃったな―」と感じているだけなのか、通訳エージェントから「クレーム」または「フィードバック」として具体的な指摘が入ったのか、これもまた違ってきますよね。ここでは、エンドクライアント側から通訳エージェントに連絡が入り、通訳エージェント側が「通訳のミスがあった」という報告を受けているということで話を進めます。
とりあえずザックリと答えておくと、ミス=干そう ということにはなりません。
特に、その通訳者さんに過去に何度も依頼しているということであれば、一回のミスで関係をご破算にするようなことは通訳エージェント側もしたくないはずです。というのも、安定的・継続的に通訳案件を依頼できる信用のおける通訳者さんは通訳エージェントにとっても貴重なはずだからです。なので、前提としては「何度か問題なくこなしてくれた通訳者さんはできるだけ依頼し続けたい」と思っていると考えてOKです。
ただ、ここで問題になるのは本当は依頼や取引の回数ではなくて、通訳コーディネータとの関係性です。それまでの通訳案件の対応で、いかにその通訳エージェントの通訳コーディネータと良い関係を構築できているか、いわば信頼関係を結べているか、にかかってきます。
信頼関係が構築できているなら、一回のミスで取引をすべて切るなんていうことはされないはずです。そのミスのインパクトが大きく、その担当コーディネータの上司から「あの通訳者には依頼するな!」と言われでもしない限りは・・・ でもその場合でも、コーディネータと信頼関係があれば、こっそり教えてくれるはずです。「ごめんね、こういう事情でいらいできなくなりそう・・・」と。
結局、どんな事情であれば何の連絡もなく仕事が来なくなってしまうのは、通訳コーディネータと信頼関係が結べていなかった、ということに帰結します。質問者さんのその知り合いの方に対してはちょっと表現が厳しいかもしれませんが。
信頼関係さえあれば、ミスがあったとしても次のチャンスはもらえますし、それが難しいとしてもちゃんと理由は説明してくれるはずです。また、単に依頼できる案件が減っているということであっても、問い合わせれば「仕事が減ってきちゃって・・・」と状況を教えてもらえもするでしょう(本当のことを言っているかはまた信頼関係次第ですが・・・(^^;))
ミスはしない方がいいですが、そんなのゼロのまま永遠に続けられるわけはありません。そんなことはコーディネータ側もわかっています。その上でできるだけミスの少ない通訳者さんを探しているわけです。そしてそのミスの少なさが信頼関係の構築にも繋がっていくわけです。
なので、僕が通訳者さんにアドバイスするとすれば、ミスを起こさない努力をするのは当然として、「ミスしちゃったとしても一発で切られたりしないような人間関係をコーディネータと構築しましょう」ということになります。