【通訳コーディネータのホンネ】 通訳者にクレームを伝える理由

ブログ担当の酒井です。

通訳者にクレームを伝えるときの通訳コーディネータの気持ち、考えたことありますか?

 

ご縁をいただいた通訳者さんにインタビューをさせてもらっています。イコールクライアントというわけではありませんが、どんなことに悩んでどんな望みを持っているのか、そしてそれらに対して自分が何を提供できるのか、どう役に立てるのかを知るのがマーケティングの原則なので、、、

なんてカタいことを書いてますが、単純に楽しいんですよね笑。

互いに違う立場で同じ業界に関わっているので、「あるある」がたくさん出ます。これだけでも楽しいんですが、その「あるある」に対しての見方や捉え方を話すと、「えっ!?そちらはそんな風に考えてたの!?」とか「な~るほど、そういうことなんですねぇ~」という発見がすごく出るんですよね。仕事ではあるんですが、とても楽しい貴重な時間です。(Kさん、昨日はありがとうございました!とても楽しいあっという間の2時間でした)

今日のトピックもその中から。きっかけはこんな質問から。

『エンドクライアントからのフィードバックは、ぜんぶ通訳者に伝えてるものなんですか?』

この質問、以前も訊かれたことがあります。そりゃあ気になりますよね。

 

その質問への答えは、、、

「NO」です。

伝える理由がある時だけ、伝えます(書いてみると当然ですが)。

 

フィードバックは大きく2種類あります。それぞれ書いてみます。

・ポジティブなフィードバックをもらった時

ポジティブなフィードバックをもらったときは、100%伝えていました。正確には、伝えるようにしていました。
(いつものクライアントからいつもの通訳者さんに対して「今回も助かりました」くらいはスルーしますが、、、)

通訳コーディネータとしても嬉しいですし、通訳者本人としてもモチベーションが上がるし、伝えるメリットが大きいからです。「伝えないともったいない」という感覚です。

ポジティブなフィードバックばかりなら悩むことはないんですが、、、

 

・ネガティブなフィードバック(クレーム)をもらった時

クレームをもらった時は、「伝えるか、伝えないか、それが問題だ」となります。だってね、コーディネータだってイヤですよ、そんなこと伝えるのは。すごいエネルギーを使うんですよ?

極端な話、現場にいないコーディネータには「真実」なんてわからないわけです。クライアントの主張や評価が「正当」かどうかわかりませんし、それを聞いた通訳者が嬉しくないなんてことは重々わかっています。逆ギレ(なのか「正当」な主張・反論なのかもやっぱりわかりません)する方もいますしね。

それでも、そんなエネルギーを使ってでも、「伝えなくてはならない」「伝えるべき理由がある」から、クレームを伝えているわけです。そこを汲み取るとことができれば、クレームの受け止め方もきっと変わってくるんじゃないでしょうか。

 

【番外】フィードバックが特にない(そしてなんだか照会が減っている)

実はこれがいちばん皆さんが恐れていることではないでしょうか。

特にクレームはもらっていない、けどなんだか照会減ってない?いや、確認したらやっぱり減ってるよ・・・。

これは結構「あるある」です。もしかすると、あなたに「クレームを伝えるエネルギーを使う理由がない」と思っているのかもしれません。

 

・通訳コーディネータがエネルギーを使ってまで「クレームを伝える理由」は何か?

 

コーディネータがクレームを「わざわざ」伝えてくるのは、理由があります。

コーディネータとしてもクレームなんて伝えたくないからです。「それでも」伝えてきているのはなぜでしょうか。それが「伝えてくる理由」になるのですが、、、酒井が考える正解は、、、

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『今後も依頼したいから』

これに尽きます。

あくまで私が勤めていたエージェント、私がリーダーの頃の方針ですが、クライアントからクレームが入り、いろんな情報を鑑みて「もうこの通訳者さんには依頼しなくてもいいだろう」という判断になったら、クレームのことも伝えずにそのまま「ブラックリスト」行きにしていました。その通訳者さんへの連絡は「お疲れさまでした」。それでお付き合いは終わりです。(もちろん「また次回よろしくお願いします」なんてついてたりもします)

たとえクライアントから「あんな通訳にお金払えません」と言われて通訳料を請求できない、もしくはディスカウントすることになっても、です。

もちろん、会社やトップの方針、または金額や状況によりますが、通訳者にクレームを伝えて、交渉して、通訳料を値切って、、、ということにさらなる「コスト(コーディネータの時間と心労)」をかけるくらいなら、数万円を払ってサクッと縁を切ったほうがよほど安くつくというのが私の考え方でした。ましてやそれで数万円を値切ったとして、それでまたどんな評判を流されるかわかりません。

それでも、やはり「伝えるように」と指示を出すことはありました。それが、「今後も依頼したい相手だったから」です。

今後も依頼をしていくに際して、発生したネガティブな事例をほっておくわけにはいきません。互いにどこに問題点を感じているのか(もしくは感じて
いなかったのか)をすりあわせることなしに信頼関係は築けません。

なので、もし、万が一、エージェントからクレームが入ったとしたら、、、「今後もチャンスをくれるということだな」と解釈して、最大限、前を向いた対応を
意識してみてください。きっと、ふてくされたり怒ったり落ち込んだりするよりも、良い結果が待っています。

 

それと、もうひとつ。下の質問にもヒントをお伝えしておきますね。

・「クレームももらってないけどいつの間にか照会が減っている」状況を避けるには?

まず大前提として、照会された件数や内容をエージェントかつコーディネータ別に記録しておいてください。

照会が減っている「気がする」では対策もこれでいい「気がする」程度にしか立てられません。しっかりと「事実」を記録しておくこと。

そして、いつの間にか照会が減っている状況を避けるには、、、

普段から、あなたの方からフィードバックを求めるようにしてください。

そうすると、「何かが起きた」時に、「普段とは違う」ことがわかりますし、コーディネータ側にも「普段からフィードバックを返していいんだ」という認識が植えつけられていますから、ネガティブなことでも言いやすくなっているはずです。

「いつの間にか」がいちばんマズい。

「何か違うな」という違和感を大事にしてくださいね。