アプローチ先、あってますか?
ブログ担当の酒井です。
人体模型を作っている会社が特集されてました。
ニッチな世界だなぁと思ってみていたのですが(カセツウもかなりニッチですが・・・)、こんな製品あるんだ、なんてものが続々紹介されていました。
その中で「あ、なーるほど」とマーケティング的な「だよね」を得た製品があります。
それが、注射を練習するための腕の模型です。(こんなの)
この製品を企画開発した当初、その企業のセールスマンは、病院に行って看護師さんに「どうですか?」と売りに行ったそうです。注射の練習をするのは看護師さん、特に新米の看護師さんですから。
「この腕の模型があれば、失敗を気にせずにいつでも何回でも練習できますよ」というわけ。
質感や造形など、製品としてはかなりの技術を詰め込んで作ったものですから、売り手の方は「これは喜んでもらえるぞ」「きっと売れるぞ」と思っていたそうです。ですが・・・
結果は散々。看護師さんたちは「うーん、、、いいです。やっぱり実際の人で練習した方がいいし、予算もないし・・・」といった反応だったとか。
セールスマンたちはガッカリしながら帰ろうとしたところ・・・
「ちょっと待ってください!」
の声が。
近くの席で聞いていた研修医(だったかな?)が呼び止めたそうです。しかも、必死の形相で。
「ちょっと待ってください!それ、、、もう少し話を聞かせてください、、、いえ、ていうか、、、買います!」
種明かしをすると、研修医たちは新米看護師の注射の練習のために腕にブスブスとへたくそな注射を刺されていたわけ。打つ本人たち(看護師)は「人の方がいい」だったとしても、打たれる側の研修医たちはたまったもんじゃない、と。
結局、研修医たちの熱意(?)によって、その製品は無事納入されたとか。
あなたの通訳や翻訳を売りたいとき、誰にアプローチするべきなんでしょう。
発注担当者、購買部? それとも、実際に通訳や翻訳を必要とする人?
企業や団体によっていろんなケースがありますから一概には言えませんが、この点を適当に考えて(または考えることなく)やみくもに「目の前にいる人」「リーチできる人」に対して本人のメリットにならないことを並べ立てている可能性はありませんか?
もしあなたが、自分が必要としていない(というか、自分に直接関係ない)商品やサポートをおススメされたら・・・ 「まあいいや」なんて反応になりませんか? そしてそれを、相手にしちゃっていませんか?
通訳や翻訳をおススメするにも、しかるべき相手を見極めてアプローチしないと、感謝されるどころか「ウザ」がられる、なんてことになりかねません。ちゃんとアプローチ先を考えてからアタックしてください。