選ばれるのは『最高の通訳者』ではなく・・・
ブログ担当の酒井です。
先日、料理教室に参加してきました。
(写真はイメージ)
あな吉さんこと浅倉ユキさんの『ゆるベジ』料理教室です。ゆるベジはもうインストラクターが全国(海外にも)たくさんいるので、浅倉さんの教室は基本的にはもう開催されてないんですが、なんとカセツウ養成講座に参加してくれている伊藤さんがそんな貴重な機会を作ってくれました。
『黒一点』というのでしょうか、女性が10人くらいいらしたのかな、その中に男性は僕だけでしたが・・・
あな吉さんのゆるベジレシピは『いかに楽をするか(そしておいしいか)がテーマ』というのは知っていたんですが、目の当たりにすると、本当に『えっ? これでできるの!?』と驚きの連続。これなら確かに僕でもできそう・・・ と、これは全国にファンがいるわけだ、と納得しました。
さて、そんな講座に参加したみんなでFacebookのグループページを作って『今日はこのレシピを作りました』なんて報告しあったりしているわけですが、ある投稿で『通訳も一緒だな』と思えたことがあったので今回書いてみました。
それは、、、『スライサー』のことです。
どんな調理器具を使ってる、私はこれがおススメ、なんて投稿なんですが、スライサーを選ぶポイント、なんだと思いますか?
スライサーは野菜をスライスするものですから、当然、切れ味って大切ですよね。だったら、切れ味が鋭ければ鋭いほどいいのか、、、というと、実はそうではなかった、って話。こんな投稿でした。
スライサーは結構指を切って怖いんですが、これは切れ味が良すぎないので、他のスライサーのように手に保護する部品を持たなくても、ほとんど指を切りませんし、切ってもたいしたことないです。(略)同じメーカーでも保護の部品がついているやつは切れすぎるということだからおススメしません。
これを読んだとき、『そっかー、切れ味が良すぎても敬遠されちゃうんだなぁ』と。
通訳者も同じ
この理屈、感覚、ユーザー心理は実は通訳者にも通じます。常に『通訳スキルが高い通訳者が選ばれるわけではない』ということです。大切なのは『ユーザーにとってちょうどいいかどうか』ということ。小さな社内会議に国際会議で同時通訳をこなしまくっているようなレベルの高い通訳者は『切れすぎるスライサー』のようなものです。いわば『手に余る』。
『通訳』といっても、さまざまな形態、さまざまな規模、さまざまな状況の通訳ニーズがあります。ユーザーが求めるのは『質が高い通訳者』ではなく、『ニーズにマッチした通訳者』であること。ここをサービスを提供する側(=売り手)として通訳者自身も理解しておくと、無為に通訳レベルや通訳スキルに捉われて自信を無くしたり焦ったりすることもなくなるのではないかな。そんな風に感じるわけです。
あなたのことを『ちょうどいい』と感じてくれるクライアントは、どんな人でしょうか?