『どんな分野も通訳できます』って言うことは・・・
ブログ担当の酒井です。
周りに風邪にやられる人が増えてきて戦々恐々としています(-_-;) 風邪薬のCMも気になるってものですが…
ベンザブロックのCMから学ぶべきことがあります。
ベンザブロックのCMの特徴的なフレーズと言えば『あなたの風邪はどこから?』です。
『あなたの風邪はどこから?』
『わたしは鼻から』
『それなら黄色のベンザブロックS』
ポイントは『カスタマイズ感』『ピンポイント感』そして『信頼感』です。
風邪の症状、といっても様々あります。くしゃみ、咳、発熱、鼻水、、、それらを一緒くたにせずに分類して、顧客(ユーザー)の症状にあわせて『あなたにはこれ!』と専門家としてハッキリと『これを使うべきです』と指示を出しています。
比較してみて欲しいんですが、
1.風邪に効きます
2.くしゃみ、咳、発熱、鼻水に効きます
3.くしゃみに効きます
3つの商品が並んでいるとして、あなたの問題が『くしゃみ』だとしたら、、、どれがいちばんくしゃみを抑えるのに効きそうな印象を受けますか? きっと多くの方は3番を選ぶんじゃないかと思います。
実際にくしゃみも咳も発熱も鼻水も症状として出ている患者に対しては、『ぜんぶに効きます』というアピールが功を奏することもありますが、『効きそうな印象』をスコア付けしてみると、こんな感じになりそうです。
1.風邪に効きます - くしゃみ5点、咳5点、発熱5点、鼻水5点
2.くしゃみ、咳、発熱、鼻水に効きます - くしゃみ6点、咳6点、発熱6点、鼻水6点
3.くしゃみに効きます- くしゃみ9点、その他はスコアが付かない(患者が気にしない、という意味)
僕の印象、独断なのでその辺はご容赦ください笑。でも、大きくは外れていないのでは、と思います。
そこで今日の記事のタイトル、「『どんな分野も通訳できます』って言うことは・・・」ですが・・・
どんな分野でも通訳できます、というアピールは、言い換えると『特徴がない』『特別な強みがない』という印象に繋がりかねません。『くしゃみにも咳にも発熱にも鼻水にも効きます』という風邪薬と同じです。
1.どんな分野でもできます - IT5点、金融4点、医療3点、広告6点
2.医療分野なら任せてください - IT?点、金融?点、医療8~9点、広告?点(?は気にしない、という意味)
医療分野の通訳案件が発生した場合に通訳コーディネータが選ぶのは、1.2.どちらの通訳者でしょうか?
おそらく黄色のベンザブロックも鼻水以外、、、くしゃみや発熱にだってちゃんと(それなりに)効くはずです。でも、あえて『鼻からくるあなたには黄色なの!』と言い切っている・・・その意味、伝わりますでしょうか。
きっとあなたの通訳も、いろんな場面でクライアントの役に立つんだと思います。思いますが・・・
『あえて』の戦略、使いこなしていますか?