大阪メトロ『堺マッスル』
ブログ担当の酒井です。平成最後の日ですが・・・普通のブログ更新です笑。
大阪の地下鉄に『堺マッスル』っていうのがあるってご存知でしたか?
しばらく前にニュースになったのでご存知の方もいるかと思います。特に大阪の方はニュースを知らなくてもピンとくるかもしれませんね。
はい、『堺マッスル』=『堺筋(さかいすじ)』です笑
堺筋を「サカイマッスル」と誤訳
大阪メトロの公式サイト
大阪市の地下鉄を運行する大阪メトロの公式サイトの外国語ページで、路線名の「堺筋」を「Sakai muscle」(堺 筋肉)と誤って英訳していたことが18日、分かった。自動翻訳ソフトの利用が原因で、利用者からは複数の誤りが指摘されていた。大阪メトロはページを閉鎖して確認を進めている。
大阪メトロによると、16日に利用者から、堺筋の他に「3両目」を「3 Eyes」、駅名の「天下茶屋」を「World Teahouse」などと誤って表記していると指摘があった。
公式サイトでは、作業の効率化のために米マイクロソフトの自動翻訳ソフトを利用していた。
https://this.kiji.is/480356205338035297
いやいや、怖いですね・・・(-_-;)
これ、笑い話にもなるようなトピックですが、翻訳関係者からするとホントにゾッとする話です。今回の件は大阪メトロが自社で自動翻訳ソフトでやったのかもしれませんが、もし、僕がこの仕事を請けた翻訳エージェントの担当者だとしたら・・・体温が2℃くらい下がりそうです( ̄▽ ̄;) ヒエッ・・・
僕たち翻訳業界に関わる身からすると、「作業の効率化のために米マイクロソフトの自動翻訳ソフトを利用していた。」は “まだしも” 、Sakai muscle だの 3 Eyes だの World Teahouse だのが散見されるようなものをこんな大企業が自社の公式サイトとして公開すること自体、「なにやってんだ」って話ですね。
(中にはちょっと嗜虐的に「そんなことやってるからだ!ざまあみろ!」みたいにほんのり(笑)思っている方もいるかもですね笑)
ただまあ実際のところ、翻訳に関する知見がないようなところだと、これくらいの認識なのかもしれません。
「機械がやってくれるんならいいじゃん」
「単語だけなんだから(文脈もないし)機械翻訳の方が間違いないんじゃない?」
「予算も安くてすむし」
・・・わかる、わかるよ、翻訳者の皆さん。言いたいことはいろいろあるのは( ̄▽ ̄)
一個人、一翻訳者として例えば大阪メトロのような会社にそういうことを伝えていく、教えていくのは無理があるとは思いますが、少なくともこうした事例をどこかに記憶なり記録なりしておいて、「そういうこと」を要求してくるクライアント(候補)にはエビデンスと一緒に説明してあげられるようになっておくのがひとつの自衛手段かもしれません。
といいつつ、「自衛」って表現にすると「対決」みたいであまりしっくり来てないんですけど。
「協業」とか「カスタマーエデュケーション」とか、そういう視点で考えておく方がいいかなとは思います。