やりたい通訳案件の照会が貰えない・・・
ブログ担当の酒井です。
前回の記事では『受けたくない通訳案件の断り方』について書きましたが、今日はその関連、というか、そもそも『どうして受けたくない通訳案件が照会されるのか?』『やりたい通訳案件の照会が貰えないのはなぜなのか?そしてその対策は?』について書いてみようと思います。
どうしてやりたい通訳案件の照会が貰えないのでしょうか?
※このトピックの特性上、クライアント=通訳エージェント、と考えてOKです
いくつかの可能性を羅列してみます。
・クライアントに伝えていない
『選り好みなんてしてると照会が減るかも・・・』と心配でハッキリと伝えていないケースです。もしかしたら心の中では『履歴書とか実績表、経歴を見たらわたしが自動車分野の通訳が得意、できるってわかると思うんだけど・・・』なんて気持ちがあるかもしれませんが、それは通訳コーディネータに期待しすぎ。誰もあなたの気持ちを『察してあげる』義務も必要もありません。プロとして自分で主張してくださいね。
でももちろん、ハッキリ伝えてます、という方もいるでしょう。
・他の分野のイメージが強すぎる
例えば、最初に『IT関連通訳者』として登録をした、それを裏付ける通訳実績も経歴もあって、その通訳エージェントでは『IT分野の通訳者』として通訳案件を何件も請けている、請けてきた、、、
が、一念発起、『金融分野の通訳』も頑張って勉強して自信も付いてきた、通訳エージェントに『金融分野もやります!』と意気揚々とアピール、するも、結局照会が来るのはあいかわらずIT通訳ばかり、やりたい!とアピールした金融通訳はぜんぜん来ない、、、
意外と多いケースです。心当たりがある方もいるのでは?
これは通訳コーディネータを11年間やってきた立場としての実感ですが、例えば2年間、IT関連のお仕事を依頼してきた通訳者さんが上のように『金融通訳もできます!』と言ってきてくれた。言ってきてくれたんですが・・・
忙しいとそんなこと忘れちゃうんです(^^;)
仕事においては効率って大切ですよね。で、効率良く仕事をするために大切なのは、『再現性』です。イレギュラーが入ると一気に効率が落ちます。どういうことかというと、クライアントも通訳コーディネータも『いつもの通り』『前と同じように』仕事をこなしたいと思っています。手間がかかりませんから。
そうした意味で、『いつもと同じように』ついついIT通訳の案件を照会してしまって、ついつい金融通訳は普段から金融通訳を依頼している通訳者に照会する、そんな流れが起きています。外からは見えませんが、言われてみれば納得、じゃありませんか?
そうした心理を理解したうえで上手にアピールしないと、『うるさいなぁー』なんて印象を持たれてしまうリスクもあるのでご注意を。
・そもそもその分野の仕事がない
普段から僕は『魚を肉屋に売ろうとするな』という喩えを使いますが、そういうこと。あなたがいかに新鮮な魚を仕入れてそれを売ろうとしても、肉屋には売れません。肉屋には魚を仕入れるニーズがないから。新鮮な魚の価値を認めてもらいたければ、高く売りたければ、魚を売ることを商売にしている魚屋に持っていきましょう、と。
通訳エージェントによっては『IT専門』『医療専門』『学会専門』なんて完全に分野を区切っていることもあります。また、そこまで明確に分野を区切っていなくても、通訳エージェントによって『多い通訳分野』『少ない通訳分野』があって当然ですから、あなたが普段IT通訳を請けている通訳エージェントには、IT通訳はたくさんあっても、実は金融通訳はないかもしれません。その見極めが大切です。
やっぱり『魚を肉屋に売ろうとするな』なんです。
その通訳エージェント、そのケースによっていろんな可能性はありますが、上に書いたことは僕自身の通訳コーディネータとしての経験に基づいた『事実』でもあります。
なんとなくでもこうした理由・原因がわかれば、対策の立てようもあります。対策にもいろいろありますが選択肢というか分岐が多すぎてブログでは書きにくいので、メルマガで書くか、まあそのうちセミナーでもするかもしれません(^^)