クレーム発生時の心構え

ブログ担当の酒井です。

クレーム、受けたくありませんよね。しかし、どんな優秀な通訳者であっても、数十年もクレームゼロでやり過ごすことは「不可能」といっても過言ではないでしょう。クレームの発生は「起こり得るリスク」ではない、なぜなら「必ず発生する現実」だから。そう断言してもいいくらいです。

もしまだあなたがクレームを経験していないとしたら、それはまだ案件の数が少なすぎるのか、またはボランティア通訳などクライアント(ユーザー)の期待値が低いステージで留まっているから、、、かもしれません。

では、クレームが発生した時にはどう対応するのが良いのでしょうか。

 

いろんなケースがあると思いますが、今日は通訳エージェント経由の仕事で、通訳コーディネータから「エンドクライアントからクレームが入っています」と連絡を受けた場合を想定して書きます。

 

0.深呼吸しよう。

まず、落ち着くためにも深呼吸をしましょう笑。程度の差こそあれ、ある種のパニック状態になっていることもあります。冷静になりましょう。

 

1.事実を受け止める。

大切なのは、クレームが発生した、という「事実」をそのまま受け止めること。あたりまえに聞こえるかもしれませんが、ここでいきなり自己保身に走ってしまう通訳者も中にはいます。

「そんなはずはない」「わたしはちゃんと通訳した」

クレームの連絡に対してこんな対応・・・つまり、相手の主張を「否定」することは絶対にNGです。何の益もありません。まずは「クレームが発生したんですね、ご面倒をおかけしてすみません」と、クレーム発生の事実を受け止める、そしてできれば、間に入っている通訳コーディネータを労うくらいの言葉を付けてもいいでしょう。

また、ここでいう「そのまま受け止める」というのは、「聞き入れない、受け止めない」という意味だけではなく、逆に「大げさに受け止める」こともやめましょう、という意味もあります。つまり、事実としては「この案件でクレームが発生している」だけですから、今後の仕事がなくなってしまうとか、とんでもないことをしてしまったとか、わたしは通訳なんてやめた方がいいんだろうかとか、ひとつのクレームからあまりに悲観的なことを連想するのもやめましょう、ということです。

 

2.相手の主張を確認する。

「クレーム」といっても、それだけでは中身はさっぱりわかりません。相手がどんな風に感じており、どのように主張しているのか、どこが問題だったと受け取っているのか、これをヒアリングしましょう。

ここでも反論はNGです。もしかしたら中にはあなたの見解と異なるように感じる主張もあるかもしれません。それに対してひとつひとつ「それは・・・」と返していくのではなく、相手の主張をひととおり聞く、ここに注力です。

 

3.自分の見解を伝える。冷静に。

相手の主張をひととおり確認したら、ここで初めてあなたの見解を述べてもいいでしょう。ただし、この時もいきなり反論するのではなく、「なるほど、先方はそのようにおっしゃっているんですね。わたしの見解も伝えさせていただいても良いでしょうか」という「許可」を挟んでおくといいでしょう。

この時点で相手のOKを取っておくことで、クレームを伝えている立場の通訳コーディネータもあなたが主張を伝えるきる前に途中で「いやいや、そんなこと言っても・・・」と遮ったり再反論してくる可能性も減ります。・・・まともな通訳コーディネータなら(笑)。

いいですか、ヒートアップしてはいけません。あくまで冷静にあなたの「見解」を伝えてください。

 

大枠はこんな順番でいいんじゃないかな、と思います。そして全体を通して意識しておくといいかな、と思うのは・・・

 

・「真実」を追求しない

どういう意味かというと、あなたにクレームを伝えている通訳コーディネータは、通訳現場にいないケースがほとんどだと思います。つまり、通訳現場で本当は何が起きていたか、自分の目では見ていません。クライアントにこう言われた、そして通訳者はこう言っている、と、いわば「伝聞情報」で状況を把握しようと努めています。

そして、通訳コーディネータのアタマにあるのは、「この状況をどう収めるか」です。

クライアントの怒りを鎮め、通訳者の不興をできるだけ買うことなく(あなたが今後も依頼したい通訳者だと思われていれば、ですが)、この案件を収束させたい・・・ そのために状況の確認は必要ですが、「通訳現場の真実」は重要ではないと思っています。探偵でも刑事でもないんです。そしてそれはあなたも同じはずです。

やっているのは「通訳ビジネス」です。必要なのは真実を明らかにすることではなく、ビジネスを円滑に収め、そして今後のビジネスにしこりや悪い影響を出さない、ということです。

こういう視点を持っていないと、ついつい「自分の主張」「自分の正しさ」に拘り過ぎて、ビジネスが終了してしまいます。言い換えると、もう依頼が来なくなります。それって、あなたが望む結果なんでしょうか。

 

勘違いしてほしくないのは、相手の主張をそのまま認めろとか、あなたの主張はどうでもいいとか、悪くなくても謝っておけとか、言いたいことも飲み込んだ方がいいとか、そういうことでは「ない」ということです。いろんな考え方があるでしょうが、自分にウソをついてまで、自分を殺してまでビジネスにしがみつくものでもないと、個人的にはそう思っています。

大切なのは、「何が大切なのか」を見極める、ということ。

あなたの正しさを証明することが大切なのであればそれに拘るという選択もできるでしょうし、そうではなく、その案件を今後に繋がる良い形で収めることを大切にすることもできるはず。

不安や怒りに任せて大切なことを見失わないようにする、これがクレーム発生時に求められる「冷静な対応」じゃないかな、なんて思うのですが、どうでしょうか?

 

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