ラーメン屋に学ぶマーケティング戦略(通訳者は誰を味方に付けるべき?)
ブログ担当の酒井です。
ラーメン、健康(というか体型)のことを考えてあまり食べないように、、、とは思いつつも、お昼なら、、、とか言って食べることもあります。
あるラーメン屋さんの貼り紙にそのお店のマーケティング戦略が見えました。
その貼り紙は、この記事のいちばん上の画像、『ランチタイムサービス!』と書いてある貼り紙です。お昼の時間帯は半熟味玉または小ライスのどちらかが1品無料になるという、一見、何の変哲もないランチタイムサービスの案内ですが・・・ ポイントは、その続き。『学生さん、タクシー運転手さんはオールタイムサービス致します』とありますね。ここ。
学生さんとタクシー運転手さんを特別扱い、大げさかもしれませんが『VIP待遇』しているわけです。とはいえ、学生さんは大盛無料!とか、学割とか、よく見ますよね。このお店はタクシー運転手も特別扱いしている。どうしてなんでしょう。いえ、そもそもどうして学生さんは優遇されるんでしょうか。
もちろん、店主によっては『若ぇヤツにはハラ一杯食わせてやりてぇ!応援してるぜ!』なんて気持ちからそうしているお店もあると思います(口調は酒井の勝手なイメージです)。もしかしたら『他の店がやってるからそういうもんだと思って』あまり深く考えずにサービスしているお店もあるかもしれません。
でもこの貼り紙のお店は、『なぜ、学生は優遇すべきなのか』をよく理解しているからこそ、『タクシー運転手』も優遇しているんだろうと思います。どんな戦略でしょうか。
まず、学生さんを優遇するのは、マーケティング戦略的にはこんな狙いがあるんじゃないでしょうか。
- 学生さんはお金はあまりない、でもたくさん食べたいはず
- 学生さんはハラ一杯食べられないと満足度が下がる(オトナと違って、おいしい、でも物足りない、では来てくれない)
- 学生さんは毎日ラーメンを食べる子もいる(社会人で毎日ラーメンでもOKという人は限られる)
- 『学生のみ』とされていると『せっかくだから』とか『特別待遇の優越感』が生じて来たくなる
- 周囲の学生さんもラーメンが好きなので『どこかおススメのラーメン屋しらない?』と訊かれることが多い
- 友人と一緒に来てくれることも多い
- だから、ひとりをファンにすれば周囲の友人も取り込める可能性が高い
もしもこれが学生さんじゃなくて月に1回ほどしかラーメンを食べないような層を優遇しても、あまり来店頻度は変わらないでしょう。もちろん『仮説』からの戦略ですが、大きく間違ってはいないはず。
これが前提にあるとして、じゃあなぜ『タクシー運転手さんも』なのか。上で『学生の性質』を分析(というほどのものでもないですが・・・)したように、『タクシー運転手の性質』を考えていくと、ひとつの仮説が立てられます。つまり、このラーメン屋は、『タクシー運転手の口コミ』も狙っているんじゃないかなと。しかもタクシー運転手さんも横の繋がりが強いらしいですし(いつも無線でやり取りしているイメージ)。
ここで今日のタイトルですが、『ラーメン屋に学ぶマーケティング戦略(通訳者は誰を味方に付けるべき?)』。そう、このラーメン屋は、学生やタクシー運転手を味方につけて、自分のお店の宣伝をしてもらおうと狙っているとしたら、通訳という仕事でもこの戦略は活かせるはず。誰を味方に付ければ、通訳者・翻訳者としてのあなたを周囲に口コミ、宣伝、紹介してもらいやすくなるでしょうか。
例えばそれは、現場の責任者かもしれない、通訳エージェントのコーディネータかもしれない。もしかすると企業の『購買部』の担当者かもしれない。総務かも? いろんな可能性はあると思いますが、目の前にいる通訳対象者や依頼担当者の『その先』まで意識していくと、意外な拡がりが出てきて、あなた一人で頑張るよりも大きく発展していくかもしれません。
誰を味方に付けるか、誰と組むか、そんな目で接する人を見てみるとおもしろいですよ。