このプロの姿勢、どう思う?

ブログ担当の酒井です。気になる記事を目にしました。

3万円のイラスト仕事を2500円で請け負う主婦 NHK「コストダウン!」との紹介にネットで悲鳴

 

こちらの記事です。

あさイチの放送内容にイラスト関係者が悲鳴「価格破壊が起こる」

<ザックリ言うと>

  • 20日の「あさイチ」では3万円のイラスト仕事を2500円で請け負う主婦を紹介
  • ネットでは「本業でやってる人の仕事が無くなるよ」といった声がでた
  • 「安請け合いしないで!」「市場破壊起きる」とのコメントもみられた

プロのイラストレーターでは3万円かかる仕事を、絵が得意な主婦に依頼したところ2500円で済んだ。「大幅にコストダウンできた」。そんな情報をNHK朝の情報番組「あさイチ」で放送したところ、イラスト関係者と思われる人たちから「お願い!安請け合いしないで!!」と悲鳴があがることになった。

(中略)

これに驚いたのがイラストを仕事にしたり、イラストレーターを目指そうとする人たちだ。これを特技とか、コストダウンなどという話にされたらたまらない。あの描き方や完成度ならば3万円以上するのはあたりまえだ、とし、

「このカットで、こんな安い値段でイラスト描かれたらイラストレーターを本業でやってる人の仕事が無くなるよ」

( 本記事はコチラから → http://news.livedoor.com/article/detail/13928038/ )

 

ここまで読んで、どこか思い当たる節はありませんか? そう、通訳翻訳業界でも、似たような状況は起きています。

いまや、インターネットを使えば『自分の特技』を売ることも簡単にできるようになりました。実際、カセツウでもそうした仕組みやツールを利用して『おうち起業講座』の開発も進めています(いまちょっと宙ぶらりんになっていますが・・・汗)。

この記事でも紹介されている「ココナラ」もそうです。通訳、翻訳のカテゴリで「出品」している人も多くいます。さすがにこのサイトで会議通訳、同時通訳、商談通訳を出している方はいませんが・・・(それは単にココナラのユーザーにそうした通訳を求める方がいないから、ということですが)

 

もちろんこれはイラストレーターの業界や通訳翻訳業界以外も同じ。ココナラを見ればわかる通り、ホームページ制作、ロゴデザイン、などもたくさん出品されています。

そして冒頭の記事では、ココナラで「得意」を出品して商品やサービスを提供している、特に低価格で提供している方に対して、「プロフェッショナル」たちが「そんなに安く提供するな!価格破壊!」と非難していると。

さて、この姿勢、どう思うか?

 

・・・この書き方だと、もしかしたら「酒井はそんな姿勢は間違っていると思っているんだな」と思われるかもしれませんが、実は一概には間違いとも言い切れないと思っている、というのが正解。

「どっちもどっち」という面があります。

 

1. プロの方へ

ココナラで小さく稼いでいる人やそんな状況を非難なんてしてないで、「やっぱりココナラのレベルじゃダメだね、プロ(つまりあなた)にお願いしないとね」と言ってもらえる仕事や価値を提供する努力を。その方がよほど建設的&プロフェッショナルです。あなたが「素人」と評している人と同じ土俵に降りてどうする、と。

「仕事のレベルは全然違うけどそれがお客に伝わらない?この価格差には敵わない?」どれも言い訳です。それらはすべてプロとして自分で解決すべき課題です。

 

2. 低価格で商品やサービスを提供している方へ

「お金もらった瞬間に全員プロ」という考えもあるので「アマチュアの皆さんへ」とは書けず、こんな表現にしてみましたが・・・そんな方々には、

「見合う価格で提供する努力を」と言いたい。自分が満足できる分のフィーをいただけていれば安くてもいい、という考え方もアリですが、せっかく人が認めてお金を払ってくれるほどの商品やサービス、もう少し自分自身で価値を認めて、価格を上げる努力をしてみてもいいんじゃないかな、と思います。

「価格破壊をしちゃダメ」ということではなくて、「もっとあなた自身を高く評価してあげて」という観点です。

 

 

これからもこうした新規参入のハードルはどんどん下がっていくでしょう。通訳学校に通ってなくても言葉がそれなりにできる方が「わたしも通訳できます」とサービスを提供しても、誰も文句は言えません。

それは「素人さん(あえての表現です)」だろうが機械翻訳だろうが同じです。どんどんいろんなレベルでの競合は増えてきます。

そうした時代が目の前に来ていて(というより、もう到来していて)、「そんなことしないで、もうやめて」なんて言っても意味がありません。

周囲や環境、他者に何かを求めるのではなくて、あなた自身にもっと高いレベルを求める、それがプロフェッショナルというものではないかな、と思います。

------------------------------

<リアルタイムでメルマガを受け取りたい方はコチラから>

メールアドレス 必須です


------------------------------