中高年の通訳者への転身について(読者質問)
ブログ担当の酒井です。いただいたご質問にお答えします。
中高年の通訳者への転身について。
・・・といっても、こちらのご質問者からはそのまま「中高年の通訳者への転身について」としか書いてなかったので(^^;)、具体的にどういう話をすればいいのか、何を訊かれたいのかがわからないままの取り上げになってるんですが・・・
まあそこまで具体的じゃなくて、「酒井さんはどう思います?」といった感じかなと。
そちらに対しては、以前に書いた以下の記事が参考になると思います。
同じことを書くのも能がないので(…そういえば、脳がない、じゃないですよね?)、今日はちょっと違う視点から僕が思うことを書いてみます。
もちろん、バックグラウンド、それまでの経験にもよりますが、「転身」とあるからには、これまで通訳者としてのキャリアを積んできたわけではない、でも、ある業界でそれなりの年月を外国語を使って仕事をしてきたのでその業界の専門的な知識は持っているし、外国語にも不安はない、実際に業務の流れ上、通訳者や翻訳者としての「役割」を果たしてきたこともある、、、こんな感じでしょうか。
- 45歳以上(厚生労働省の資料の一部で中高年の定義は45歳からになってるとか)
- 外国語に不自由しない
- お仕事の中で通訳の「経験」はある
- ある業界の知識が豊富、専門性もある
- 通訳者としての専門的な勉強(通訳学校に通うなど)はしたことがない(たぶん)
なんて人物像が浮かび上がりますが・・・(プロファイリングみたい)
なぜ、通訳?
と、思いました。
いちばん若い設定で45歳、実際は50歳を過ぎていることもあるでしょう。とすると、これから通訳学校に通い始めて3年~5年修行、その頃は55歳くらい? そして「55歳の新人通訳者」と扱われるわけです。もちろん、上の記事でも紹介しているブログ「50歳から始めた通訳訓練」なんて例もあるわけですから、チャンスがないとは言いません。言いませんが・・・
やっぱり、なぜ、通訳?
と思うわけです。
このご質問者のお話を伺っているわけではないので、通訳にかける思いとかはわかりません。もしかしたら子供のころからずっと通訳者になりたいと思っていて、これまでのキャリアがひと段落(定年も見えてきた?)したいま、「夢を追おう」と思っているのかもしれません。だとしたら、「できるか、できないか」の話よりも「目指してみるか、目指さないか」になると思います。「なれるかどうかわからないけど、挑戦してみたいんだ!」というなら、それはそれで応援したいものです。
ですが、もし、もしもですよ・・・
「外国語もできるし、専門的な知識もあるし、これまでもそれっぽいことたくさんやってきたし、通訳だったらできるんじゃないか」といった考えであれば、おススメはしません。少なくともフリーランスとしてゼロからのスタートを切るのは。
もし、これまでの人脈を最大限に活かすことができて、その人たちが「これまで依頼してきた通訳者さんはどうもやっぱり駄目なんだよなぁ、あなたみたいな通訳者がいたらいいのに」と言ってくれている、それもたくさんの人が、さらにそれらが「口約束じゃないことが確実」なら、可能性はあります。
まあ、その上でも、、、
やっぱりやっぱり、なぜ、通訳?
です(しつこいですね笑)。
僕だったら、その業界での「コンサル的な役割」「顧問的な役割」「相談役的な役割」、つまりそうしたポジショニングでの起業独立をおススメします。もちろんその中には通訳や翻訳も業務に含まれてきます。
・・・その方が、よっぽどおススメです。
記事の感想や取り上げて欲しいトピック、質問などは以下のフォームからお送りください。継続の原動力になります。