『プロだな』と思ってもらえる工夫
ブログ担当の酒井です。
あなたは通訳者として、翻訳者として、クライアントにサービスを提供した時に、『あ、この人、プロだな』と思ってもらえるための工夫はしていますか? 『努力してますか?』じゃありません、『工夫してますか?』であり、『具体的なツールやアイデア、行動を持っていますか?』という問いかけです。
人って、どんな時に『あ、プロだな』と思っちゃうんでしょうか?
ヒントは、『人はどんなことに対して ”プロだな” と思うか?』を考えることにあります。
お願いした仕事をキッチリとこなしてくれた時・・・?
確かに思うかもしれませんが、それってある意味『あたりまえ』ですから、それで『プロだな』に直結するわけではありません。あなたも通訳コーディネータが当日の集合場所を確認して連絡してくれても、『プロだな』とは思ってくれませんよね。なんとも思わないでしょう。『求められた仕事、期待された仕事』をしても、それ以上には思ってもらえないってことです。ただし(だからこそ)、『期待以上』の成果を提供すれば、思ってくれるかもしれませんから、『期待以上』を目指すのはひとつの正解です。
そして、この『期待以上』をもう少し上位概念に置き換えると、ポイントが見えてきます。それは・・・
『プロだな』の秘訣は『想定外』のところにあり! です。
これは本筋(通訳者なら通訳、翻訳者なら翻訳)の部分で『想定外=期待以上』というのもそうなんですが、それってなかなか大変ですよね? でも実は、本筋以外の小さなところ、相手が期待もしていないところなら、実はもっと簡単に『プロだな』と感じてもらう工夫がしやすいんです。だってそもそも期待されてない部分なら期待値のハードルが低い、だから、そのハードルを越えるのも簡単、という理屈です。
これは『ふとした瞬間』と表現することもできます。
あなたも意外と、誰かのお仕事に対して『あ、この人、プロだなー』と感じるのは、その人の本筋ではない、『ふとした仕草や言動』に対して感じた、ってことがあるんじゃないでしょうか。
例えば僕が通訳者さんに対して『あ~、この人、プロ~!』と感じた瞬間・・・
- 事前資料の入手・手配に努力を尽くしたけど手に入らなかった、『すみません・・・』とお詫びの連絡をした時に・・・『いえいえ、こんな時間までありがとうございます。ないなら無いで最善を尽くしますね』と言ってくれた時に『うわぁ~、この人、プロだなぁ』と思いました。一方そうでない方は『どうすんのよ!できないじゃない!』なんて当たり散らすので・・・
- あるブランドの通訳案件を照会すると、『お引き受けします。でも私、そのブランドのバッグは持ってないのよね、買う言い訳にします笑』と返してくれた時。クライアントの商品(安いブランドではありません!)をわざわざ購入して現場に臨む・・・プロだなぁ~(本当に欲しかった言い訳にしたのかもしれませんけど笑)
- 現場でスピーカーと引き合わせたら、まるで以前からの知り合いのように(ごく手短な)談笑から入って懐に入り、講演に関する確認をテキパキと短時間で、しかも和気あいあいとした雰囲気を保ちながら行うのを横で目の当たりにした時。『うわぁ~、ムダな時間なくてスゴイ・・・ プロの打ち合わせ術・・・』
他にもいろいろありますが、こんなことが思い浮かびます。・・・ね、通訳をしている瞬間じゃないでしょ?
もしかしたらあなたにとっても上に書いたようなことは『あたりまえ』かもしれません。でも、僕にとっては『あたりまえ』じゃなかったんです。つまり期待値のハードルは低い、というか、ハードルを設置してないところだったので、通訳者さんにとっては『歩いているだけ』で超えてしまうってとこなのかもしれません笑。
そういう意味でもうひとつのポイントは、そういうプロっぽく感じてもらえそうなところをちゃんと自分で意識して『どう見せるか』を考えておく、というところ。せっかく『プロだな』と思ってもらえるかもしれないところ、いやらしくなく、自然にチラ見せしていかないと、もったいないですよ。