[翻訳祭にて] どれを選べば!? CATツール!
ブログ担当の酒井です。
翻訳祭では、たくさんのCATツールが紹介されていました。 CATツールと言ってもネコじゃありませんよ(^^) Computer Assisted Translation = CAT ツール、です。こんなにあると、どのCATツールがいいのかさっぱりわかりませんでした。
選択肢が多すぎると、脳は選択することができなくなります。
マーケティングの世界では、お客様に提案する選択肢は、だいたい3つくらいがいいとされています。まさに『松竹梅』ですね。
『選択肢が多ければ多いほどお客様の利便性向上や満足感に繋がる』と思うかもしれませんが、実は逆効果。選択肢が多すぎると情報が増えて、そのうち脳は・・・ 飽きちゃいます。つまり、『また今度にしよう』になります。
いろんなCATツールのプレゼンを見ながら『僕が翻訳者だとしたらどれを選ぶだろう・・・』と考えてました。どんな選択基準があるか考えてみたんですが、
・クライアントの指定
やはりこれが一番重要ですね。クライアントが『これを使ってください』と指定しているものがあれば、それを優先します。とはいえもちろん、3社のクライアントがいてそれぞれ別のCATツールを指定する可能性もあるわけです。じゃあ3種類揃えるかというとそれは無理な話。なので次は『クライアントの優先順位』を考えることになります。
年に3万円しかくれないクライアントと100万円の発注をくれるクライアント。当然後者の方がクライアントとしての価値は高いですから、後者が指定するCATツールを導入します。
・TMの互換性
この辺はもうあまり問題はないと思いますが・・・ TM(翻訳メモリ)の互換性があれば使用するCATツールが違っていてもどうにかなります。ファイル変換などの際にいろんな不安要素が出てきますが・・・
などなど。もちろん自分にとっての使いやすさやセキュリティも考慮に入れますけどね。
・・・って、今日は別にCATツールの話をしたいわけじゃなくて(^^;)
上に書いたのは『翻訳者にとってのCATツール』の話ですが、この構造は実は『通訳コーディネータにとっての通訳者』と置き換えて考えることもできます。
僕ら(僕は『元』ですが・・・)通訳コーディネータの元には、いわゆる『通訳者データベース』的なものがあります。その通訳者データベースには、たくさんの通訳者の情報が載っているわけです。僕が勤めていた通訳エージェントであれば、全体では2000人を超えていたんじゃないかな・・・? 全員が稼働しているわけではないですけれど。
そんな風に『多すぎる選択肢』から選んでもらえる通訳者になるためには、上で『僕が翻訳者だったら・・・』と考えながらその選択基準を書き出してみたように、『自分が通訳者に発注する立場だったら・・・どんな選択基準で選ぶだろう』と考えてみるのが有効(必要)です。
自分が通訳者に発注する立場だったら・・・ 目の前の通訳者データベースに2000人の通訳者の情報が並んでいたとしたら・・・ どんな基準を優先するだろうか、どんな通訳者に依頼しようと思うだろうか・・・
もちろん『想像』から始めることもできますが、いちばんいいのは通訳コーディネータに訊くことです。実際にクライアントに訊くことです。もしそうしたことを訊ける相手がいないのであれば、まずはそうした関係を作る努力や工夫をするところから始めるのも良いと思います。
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