経験が少なくても経験豊富なライバルに勝つ方法

ブログ担当の酒井です。

経験が少ない通訳者・翻訳者は経験豊富な通訳者・翻訳者には勝てないんでしょうか?

 

カセツウではいつも「自分のリソースを棚卸して、強みとして打ち出していきましょう」と伝えています。他との差別化です。

そんな時に多い反応は、「でも私なんて、、、」というもの。謙虚ですね。いや、もう少し強い言葉で言ってしまうと、そんなことを言うと、他人から “どこが?” とか “よく堂々とそんなこと言えるね” とか言われてしまうのが怖い — 要は、「他人に否定されるが怖い」んですよね。でも、当然です。酒井も怖かったです。

否定されて傷つきたくないから、自己防衛本能で「自分で自分を否定する」、そうすればそれ以上に傷つくことはないから。違います?

これを読んで「あーわかる、、、」と思ったあなたも、「違うよ」と思ったあなたも、いずれにせよ「強みを打ち出す」ことの重要さはご理解いただけると思います。

 

以前、駆け出しの通訳者さんをサポートした際に、こんな言葉が出てきました。

「でも私、まだ経験が少ないですから、、、」

それはそうでしょうね、お仕事としての通訳を始めたばかりですから。月並みですが、最初から経験豊富な人はいません。

この「経験が少ない」って、強みだと思いますか?弱みだと思いますか?

多くの方は、「弱み」だと認識すると思います。逆に「経験豊富、10年選手」だとしたら「強み」に分類すると思います。でも、本当に常にあてはまるでしょうか?酒井はそうは思っていません。

例えば、こんなふたりの通訳者さんがいるとします。

通訳者A:通訳経験20年、専門は医療・薬学、レートは全日8万円

通訳者B:昨年から通訳者として活動を開始、医療を専門とすべく勉強中、レートは「応相談(コーディネータとしてはちょっと困っちゃいますけど笑)」

このふたりを比べた時に、通訳コーディネータは常にAさんを選ぶと思いますか?

通訳エージェントにこんな案件が入ってきました。

・同時通訳ブースに入っての同時通訳業務
・3名体制
・内容は、医療に関するカンファレンス
・スピーカーは国際的に名の知れたドクターx4名
・聴講者の属性はドクター・インターン・医療関係者
・会場規模は100名

 

この場合、、、ほぼすべてのコーディネータAさんに依頼しようとするでしょう。Bさんに照会することはあり得ないと思います。 なぜならAさんは「経験豊富、専門知識レベルも高い」から。これだと、「経験豊富」は強みですよね。

 

もうひとつ、こんな案件が入ってきました。

・医療機器関連の展示会での通訳業務
・通訳者は10名ほど必要
・内容は、医療機器メーカーが出展するブースの訪問者対応
・具体的な商談は別途設定する前提で、会場では情報交換、アポ設定までを想定
・その他、若干の案内業務も求められる可能性アリ

この案件に対してAさんに依頼しようとする猛者(笑)がいたら会ってみたいものです。いや、猛者なのか、入社したばかりのコーディネータなのか(^_^;)

私なら、確実にBさんに照会します。Aさんはこの案件には「経験が豊富すぎる」「知識レベルが高すぎる」つまり「レートも高すぎる」と思うからです。

どうでしょうか?この場合、Aさんの「経験豊富」は強みになっているでしょうか?(もちろん、Aさんがこのお仕事を請けたいかどうかは別の話です)

この例で、明らかにBさんの「経験が少ない」「レートは応相談」という弱気になりがちな部分が求められていることがわかると思います。つまり、経験が少ないことも経験豊富なことも、どちらも単なる「特徴」に過ぎません。それが強みになるのか弱みになるのかは状況、さらに言えば「解釈」次第です。

僕ならBさんにこんなアドバイスをすると思います。

酒井「Bさん、いまからあなたの専門は “展示会通訳” です。”展示会通訳しかできない” じゃないんです。あなたは “展示会を専門で引き受けている通訳者” なんです。ほら、この揺れる5円玉を見続けてください・・・だんだん眠く・・・」

まあ後半はおふざけです、すみません( ̄▽ ̄;)

でも、違いはわかると思います。

「展示会しかできない通訳者」

「展示会専門で引き受けている通訳者」

受ける印象はまったく異なりますよね。

 

もしかするとこれを読んだ方の中には、「酒井め、セコイごまかしを使いやがって」と思う方もいるかもしれません。しかし、これを「ウソ」だと、言えますか?僕は、そうは思いません。

このブログでは当然ながら通訳者さんを想定して記事を書いているので通訳者としての強み弱みをテーマに書きましたが、お仕事じゃなくても、こういう解釈や捉え方は非常に大切だと思っています。

あなたの「特徴」に魅力を感じる方は必ずいる、あとはその方がどこにいるのか、どうやって知ってもらうのかを考えることが ”マーケティング” です。

自分の「特徴」を自分で否定しないでください。自分で評価しないでください。どうせろくな評価になりません。(自己評価が高い方は、そのままで笑!)

自分で自分を否定し続けて身を守ろうとする(実際は自分で自分を傷つけ続ける)毎日と、自分で自分を認める勇気を持って過ごす毎日と、どちらの毎日を過ごしたいですか?ちょっと考えてみてくださいね。