民泊+α、”通訳案内”を収益源に~法改正で無資格でも可能に(民泊大学より)
ブログ担当の酒井です。
民泊って、ご存知ですか?
Air BnB(エアビー)が有名どころですが、旅館としての届けを出していない人でも、一定の条件下でゲストを宿泊させて宿泊料を受け取ることができる、という仕組みです。海外で使われてきたカウチサーフィンは基本的に無償なはずですが、こちらは金銭の授受を前提にした”ビジネス”です。これまでは旅館法の兼ね合いもありグレーゾーンでしたが、どうやらそろそろ、一定条件下での解禁が正式に出されそうです。
その関連でネットを調べていたら、『民泊大学』なんてサイトが出てきました。こんなのがあるんだ…。今日のトピックはそちらの記事から。
民泊+α、”通訳案内”を収益源に 法改正で無資格でも可能に 地方でニーズ高く
早ければ今月中の成立を見込む民泊新法案(住宅宿泊事業法案)。その法案には民泊物件1カ所あたり「年間の営業上限日数180日(泊)」という規制が盛り込まれる見通しとなっており、民泊ビジネスの収益性を確保する上で新たなビジネスモデルが模索されている。
そんな中、民泊ホストの間で注目が集まり始めているのが、民泊とほかのアクティビティを組み合わせた収益モデル、いわば「民泊+α」という形だ。
そして、この「+α」にあたるアクティビティの一つが「通訳案内」。自分で運営する民泊物件に宿泊したゲストなど向けに、ホストが周辺観光地などを通訳しながら案内する有料サービスを提供するという形だ。
(民泊大学のサイトより https://minpaku-univ.com/news/3467/ )
僕自身、通訳・翻訳エージェントに勤めてコーディネータとして11年の経験がありますが、途中から、常に頭の中に、ある思いがありました。それは、『通訳・翻訳は受注産業だ』というもの。受注産業の説明として、『生産者(メーカー)が需要先から注文を受けて初めて生産を始める,造船,建設,産業機械などの産業をいう。(コトバンクより)』というものがあります。
要は、通訳や翻訳はそれ単体では需要の発生はなく、何かの業務が発生した際に、初めてその延長線上として需要が発生するんだ、という思いです。『通訳してほしいんだ、翻訳してほしいんだ』の前に、必ずその理由があります。パンはパン単体で『商品』になりますが、通訳は『通訳単体』では『商品』にはならない。『パンを食べたいからパンを買う』とパンを目的にする人はいるけど、『通訳をしてほしいから通訳を依頼する』と、通訳そのものを目的にする人はいないってことです。
この考え自体はいまも大枠としては変わりませんが、会社員を辞めて起業家として活動して始めてから気付けたこともあります。それは、『ニーズは生み出すことができる』という考え方。
会社員、通訳コーディネータだった時代は、『どこかで通訳を必要としてないかな』と、すでにニーズがあるところばかり探していたのですが、いまは『どうやったらニーズを生み出せるだろう、感じてもらえるだろう』と、『いまは見えていないけど可能性のあるニーズ』に目を向けることができるようになりました。
今回の民泊+通訳ガイドもまさにその流れです。
通訳ガイドの資格を取ってもなかなか通訳ガイドとしての仕事や収入を得られていない方もいると聞きます。だとすると、情報を発信して、泊まれる場所も用意して、自分で観光客を呼び寄せて通訳ガイドのニーズを作ってしまえばいい、こんな考え方ができるんじゃないかと思います。
もしかすると『いや、私は通訳ガイドがしたいわけであって、情報発信や観光客の誘致をしたいわけじゃないんだ』と思う方もいるかもしれませんね。だとしたら、それでもいいと思います。これから規制緩和が確実視されている通訳ガイドという資格の価値がだんだんと軽くなってしまい、外国語ができる人が『ガイドします』と言い出して、観光客を受け入れる旅行会社や宿泊施設に対する競争が過当になっていく中でも下請けとして生き残っていく覚悟があるのであれば・・・
もし、そんなのはイヤだ、というのであれば、やはり自分がビジネスの上流に立ってニーズを創り出していくしかありません。
民泊大学にも民泊を始めるための情報は記載されているでしょうし、ご希望の方には民泊コンサルの方をご紹介することもできますので興味があればお問い合わせ下さい。セミナー等も開催されているはずです。
下請け、外注先じゃなくて、起業家になってビジネスの上流に立つ。今後、通訳者として活動の場を求めていくのであれば、そうしたマインドも必要になってくると思います。