クライアントが現場で困っていることは?
ブログ担当の酒井です。
通訳のクライアントが現場で困っていること、困ること、って把握してますか?
通訳コーディネータはもちろんクライアントの話を訊いて通訳者さんを手配するんですが、通訳現場には行かないことも多々あります。特に企業内の商談なんて場に部外者の通訳コーディネータが入るなんてことはほとんどありません。
ということは、通訳現場に関して言えば、通訳コーディネータよりも通訳者の方が情報をたくさん持っている、たくさん集められるはずです。
そういう情報の中で、通訳のクライアントが現場で困ること、困っていることを把握するようにしているでしょうか? 案外、いろんな現場に同席する機会の多い通訳者の立場だからこそ気付けることや予想できるトラブルの種は多いものです。
そういうトラブルの種をあらかじめクライアントや通訳エージェントの担当者に伝えて予防策を取るように助言ができれば、あなたの価値はグッと上がります。それこそ「通訳者」という枠を超えてコンサルタントに近い立場になることもできます。
あなたの目の前で発生したトラブルやお困りごとの多くは「その日その場だけ」のものではないはずです。A社で発生したトラブルは、いつの日かB社、またC社でもいずれ発生する可能性があります。
そうした時に「以前通訳を担当したクライアントさんでこんなケースがあったので・・・〇〇しておいた方が良いかと思います(〇〇についてご確認ください)」なんてことを言えれば・・・当然、他の「通訳をするだけ」の通訳者よりも頼りにされます。
通訳をしていれば、何かのトラブルはいずれ必ず(必ず、です)発生します。そうした時に、その場をどうにか乗り切る、そして今後もっとうまく乗り切れるように対策を練るのはもちろんですが、その事例をクライアントのためにも活用しましょう。直面/発生したトラブルやお困りごとを記録しておいて、それをケーススタディとして活用できる形にまとめておくのもおススメです。
通訳者が通訳だけしてればいい、なんて時代はとっくに終わっています。そんな通訳者はAIなどの技術に取って代わられる日も近づいています。
トラブルやお困りごとは避けたいものですが、どうせ起きるのなら、それをできるだけ活用するという考え方を身に着けていくと、トラブルやお困りごとに対する不安や恐怖も軽くなる・・・と、思いますよ。