安倍総理、プーチン大統領、そして通訳者だけ・・・
今日はNHKニュースウェブのこの記事から。
『日ロ首脳会談 特別制度の共同経済活動などで議論』
(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161215/k10010808571000.html)
詳細な内容は記事を読んでいただければと思いますが、今回酒井が気に留めたのはこの部分。
これは 『通訳者』 という仕事のものすごく面白いところ、魅力だと思います。
首脳の側近すらも席を外すよう指示されるような場面で、通訳者だけは一緒に残ることを許されているんですね。
この記事だと首脳クラスでちょっと 『別世界』 というイメージになってしまうかもしれませんが、こういうことは通訳の世界では企業内通訳、ビジネス通訳でも起きています。
例えば、大企業の社長とお話をする、一緒にタクシーに乗る、同じ環境にいて、考えを聞き続け、それを伝え続ける、、、こんな仕事が、果たしてその企業に普通に入社した人にできるでしょうか?ましてや、こうした通訳をしている方の年齢を考えてみると、20代、30代の通訳者も多くいます。同じ年代、20代、30代の社員や通訳者ではない人間が、大企業の社長とここまでピッタリと密に接して、考えを直に聞けるなんてこと、あり得ませんよね? でも、『通訳者は』 それができる立場に、ポン、と飛び乗れちゃったりするわけです。
これは企業内通訳、社内通訳に限らず、フリーランス通訳者の場合も同じです。いや、もしかすると接する相手のスケール、影響力は、もっととんでもないかもしれません。
例えば、ピータードラッカー氏。
彼が来日した際は、すでにお亡くなりになっていますが、故・井上久美先生が通訳に付かれていました。井上久美先生(と、神田昌典さんの対談)の音声教材を持っているのでそのお話は何度も繰り返し聞いているのですが、日本でピータードラッカー氏に会える、そして間近でお話を伺える人間が何人いるというのでしょうか。これもやっぱり、井上先生が通訳だったから、です。
こんな風に、通訳者じゃなければ見れなかった世界に飛び込めるのが、通訳という仕事の大きな魅力のひとつです。もっとこういう点が伝わって、世の中で通訳という仕事が 『あこがれの職業』 になったらいいのになぁ、なんて風にも思います。
そして、そのための仕組みを作ろうと思っていますので、またご案内しますね(^_^)