【通訳者の価格設定】 うわっ・・・私の通訳レート、低すぎ・・・?
通訳エージェントのコーディネータとして10年勤めた後、コーチとして独立して「通訳者になりたい!」「それも稼げる通訳者、売れっ子通訳者に!」「ずっと通訳をやっていきたい」「でも通訳の仕事が来ない・・・」「スキルはあると思うのに何が足りないの?」「長くやっていればそのうち報われるはず」と思っている方を、通訳スクールも通訳エージェントも教えない、メンタルとマーケティングの観点からサポートしています。
このブログではその経験を活かして通訳エージェントの本音、通訳コーディネータの本音をベースに、「稼げる通訳者になりたい!」あなたの役に立つヒントをお届けしています。
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今日のタイトルは「【通訳者の価格設定】 うわっ・・・私の通訳レート、低すぎ・・・?」です。
このフレーズ、どこかで聞いた気がしませんか?
元ネタは、株式会社キャリアデザインセンターの転職サイト「@type」が実施している市場価値診断テストのバナーで表示されるフレーズです。
(これ ↓)
このフレーズのパロディなども溢れてますね、今日のタイトルもご多分に漏れず・・・笑
さて、特に派遣契約などで企業付き、常駐、で通訳をされている方がフリーランスになろうかなと思っているとき、ぶち当たる壁ですね。質問もいただきます。
『いったい、レートはいくらで提示するのが良いんでしょうか?』
なかなか難しいですよね、通訳者は『自分に値段をつける』というイメージがありますから(実際には『自分のサービスに値段をつけてる』んですが、意識的に区別しないと混同しがちです)、それに慣れてないと見当がつかない。多くの方が、
・どのくらいが相場なんでしょうか?
・他の方はいくらくらいでしょうか?
・高すぎないでしょうか?
・酒井さんなら依頼してくれますか?
などなど、質問されてこられます。
さて、そんな時になんと言っているか、ですが・・・
基本的には『あなたが納得できる価格を付けてみたら?』と言っています。まあ、答えになってないようなものかもしれませんが(^_^;)
実際、外から酒井が『5万円だね』とか『2万円じゃない?』などと言っても、なんだか中身がない気がするんですよね。自分が納得できる価格がいちばんです。結局、どんな価格を言われたって、こんな反応に落ち着きそうです。
『ちょっと高すぎませんか?これで仕事来ますかね・・・』
『もうちょっと欲しいんですけど・・・』
『まあ、そんなものですよね・・・(ちょっと残念そうに・笑)』
こんな感じ。
『そうですよね!やっぱりこの価格がベストですよね!』なんてことには出会ったことがありません笑。
という感じですが、ただ、その上で・・・
自分が納得できる価格を決めておくこと自体は非常に重要です。
それが相手に通ろうが通るまいが、この自分なりの適正価格があるかないかで様々な判断が早くなったり、また目指すべきルート、採るべきアプローチが変わってくるからです。
2万円のレートで良いのに、例えばサイマルに登録しても無駄です。10万円の通訳者もゴロゴロいる中で2万円の提示など、スキルなど無関係に『ウチの仕事ができるレベルではない』と判断されます。プラダショップに『プラダなのにお得です』と3000円のバッグが売っていても『なんか、違う』になりますよね。この場合は中身なんて関係ないのです。
逆に、展示会通訳が中心のエージェントに『国際会議もお任せあれ』と売り込んでもまったくの無駄というのもわかりますよね。小さな町の商店街の、50円コロッケを揚げている肉屋さんにA5の肉を並べても不釣り合いだし、そもそもそんなところにあると思ってないので誰も探しに来ません。
こんな風に、しっかりと自分が得たい通訳レートを設定して(とはいえ、曖昧でもOK)、そのレートを『適正だ』と『思ってくれる』エージェントやマーケットを見極めてアプローチをかけていくことが重要かなと思っています。
と、いうことで、やっぱり酒井に『わたし、いくらでしょうか?』と訊かれても、ちょっと答えようがないんですよね(^_^;)
だから、クライアントさんと一緒に考えていきたいと思っています。