『スキル ≠ 収入・成功』の方程式
ブログ担当の酒井です。
Facebookは使ってますか?
今日の話は別に通訳者・翻訳者として Facebook などのSNSを活用しましょう、という話ではありません。Facebook の創始者であるマーク・ザッカーバーグ氏に関するこんな記事をネットで見かけたのでご紹介したくなって。( Quora というサイトの記事からの転記です。回答は英語からの翻訳とのこと)
質問: マーク・ザッカーバーグのプログラマーとしての腕前はどの程度のものでしょうか?また、彼はまだフェイスブックのコードを書くことはあるのでしょうか?
回答: 2006年にザッカーバーグはフェイスブックの経営に集中するために、コーディングから手を引きました。2016年の夏にナイジェリアを訪れた際に彼は、会社の経営のためにコーディングをやめることは「すこし悲しい」とおおやけに認めました。ナイジェリアのラゴスで行われたテック系の起業家や開発者との質疑応答で「プログラムを書いてるときの優雅な喜びから離れてしまったことはさみしい」とも述べました。「コードは常に思う通りのことをしてくれるけど、人間はそうはいかない」
彼はプログラミングへの愛を語っていますが、専攻は心理学でコンピューター・サイエンスではありませんでした。
同僚は彼を最上級の達人プログラマーとは認めていません。コーダーたちがスキルを競い合うウェブサイト、TopCoderで彼が到達したのは三番目のレベルまででした。フェイスブックの元CTOでQuoraの創業者であるアダム・ディアンジェロは「red」すなわち最高ランクでした(ランクはgrey、green、blue、yellow、redの順に上がっていきます)。
ザッカーバーグの成功の要因は、純粋なプログラングの腕前・技術というよりは、彼の持ち前の粘り強さ、仕事に対する真摯な態度、そしてクリエイティビティの組み合わせによるものでしょう。
僕がこの記事を紹介したいと思った理由は、『同僚は彼を最上級の達人プログラマーとは認めていません』の部分です。
カセツウでは普段から『通訳スキルや翻訳スキルは収入や成功とは必ずしも比例しない』と主張し続けています。これも何度でもセットで書いていますが、通訳スキル、翻訳スキルはどうでもいい、ということではなくて、収入や成功のひとつの要素(条件)に過ぎない、という意味ですが。
そして、この記事の中で述べられているのは、「ザッカーバーグ氏が莫大な収入を得たり成功したのは、彼のプログラミングスキルがベストだったからではない」ということ。まさにカセツウで主張していることと同じじゃないかなと。
通訳者として、翻訳者として成功したい、もっと仕事を増やしたい、収入を上げたい、ステージを上げたい、という思いがあるなら、他の通訳者、翻訳者が「もれなく」磨き続けている通訳スキル、翻訳スキルにだけ集中するのではなく、他の通訳者、翻訳者が「やっていない」ことに取り組んでみることもとても大切です。というか、結果が出やすい。
スキルと収入・成功は比例しない・・・『スキル ≠ 収入・成功』の方程式はやっぱり間違ってないよなぁ、なんて思えた記事でした。
念のため、ですが、こういうことを理解したその上で「スキルを磨きたいから」とスキル磨きに腐心するのは全く問題ないと思います! 問題になりうるのは、この方程式を知らずにスキルだけを磨き続けているのに「うまくいかない」「収入が増えない」「仕事が増えない」と悩んでいること。カセツウを読んでいればそういう心配はいらないと思いますが(^_^)