超人気「人力車」俥夫に学ぶリピート顧客獲得術
ブログ担当の酒井です。
超人気の「俥夫」がいるんですって。
俥夫、というのはここでは「人力車を牽く人」のことです。俥夫と言っても最近は女性もいらっしゃるようですね。あんな重いもの牽くなんてすごい・・・
この話が出たのは京都の起業家シェアハウスでお酒を飲んでいる時でした。
「嵐山に観光に行きたいなー」という話をしていたら、「友達が人力車を牽いているから乗ってあげて」という方が。そこから「知られざる人力車の世界」の話になっていきました笑。
人力車の世界(業界)ってどうなってるのか、なんて調べていくと、「えびす屋」というところが京都での人力車シェアのほとんどを握っているみたいです。1992年、京都嵐山でたった3台の人力車で起業して、いまでは京都をはじめ浅草、鎌倉、函館、宮島、湯布院、、、など全国で店舗を展開しています。
その他、奈良では「やまと屋」というところが強いとか、浅草は競争が激しいようだとか、、、考えてみれば運営している会社があって、シェアを競っているのは当然なんですが、そもそも考えたこともなかったですね笑。
そして、各社のホームページには「俥夫紹介」のページがあって、どんな俥夫がいるのか、それぞれの特徴や売り、おすすめコースなどが書かれています。なんだか芸能プロダクションみたいですよね。
さて、そんな「えびす屋」さんには超人気の俥夫がいるという話が出ました。具体的な額はさすがに出ませんでしたが、そこらの会社員の給料を優に超える報酬を得ているとか。時期によって車を牽く場所(町)も変えているようです。紅葉の時期は嵐山や東山で車を牽き、寒さ厳しい時期になると湯布院に行って車を牽く… まさに「フリーランス」って感じですね。
少し出た話では、雨の日はお客さんは雨に濡れたくないだろうから駅のそばで待機する、ランチの時間は人気のランチ店のそばで待機する、何時頃にどの辺からどの辺までお客さんが乗ったかを記録して分析する、、、といったようなこともされているそうです。すごいですよね!ホントに。(こういう話、大好き笑)
その俥夫さんの自宅には日本全国各地のお土産が並んでいるそうです。全国からのお客さんがその俥夫さんを指名して乗りに来て、お土産をくれるんだそうです。お土産を持ってきてくれるお客さんというのは、リピート顧客のはず。何度も何度も、その俥夫さんを指名して乗っている、ということだと思います。それってなんだかすごくないですか?
ところで、僕のイメージでは人力車って何度も乗るようなものじゃなかったんです。一度乗ったら満足、みたいな。そして、「人力車なんてどれに乗っても同じ」とも思っていました。
人力車が提供している本質的な機能は「人力車に乗ることそのもの(なんかいいよね、って感情)」「移動」「観光」だと思っていたんですが、それだけなら確かに「どの人力車に乗っても同じ」なはずですが、事実として超人気の俥夫(選ばれる俥夫)、そうでもない俥夫(選ばれない俥夫)、がいて、売上・報酬に大きな差ができている…
ここまで書けばもちろんわかりますよね。通訳者・翻訳者としても、その超人気の俥夫さんの努力や工夫、戦略は絶対に役に立つはずです。もちろんカセツウそのものにも。
「その俥夫さんの話、聴きたい!」と思ったので、京都にいる内に指名して乗ってみようかなと思っています。人力車の料金って初めて調べたんですが、30分貸切で7000円、60分で13000円、120分23500円だそうです。それなりの金額しますが、「人力車に乗る」だけじゃなくて「超人気の俥夫になる秘密を覗ける/訊ける時間」と思えば、「コンサルを受ける時間」と思えば、決して高くないなぁ、なんて風にも思います。
この俥夫さんを口説き落として座談会とか講演とかやったもらえたら楽しそうだなぁなんて思っています( ̄▽ ̄)