通訳者と服装

ブログ担当の酒井です。

通訳現場に出る時の服装って意識してますか?

 

これは実際にあった話ですが・・・

ある大手自動車メーカーのグローバル会議の通訳に、それはそれは華やかな、パステルグリーンのワンピースで臨まれた通訳者さんがいらっしゃいました。完全に、浮いてます。

周囲はスーツを着た男性だらけ、その中に彼女は通訳者として参加するわけですが・・・ 彼女が通訳者だということを知らない会議参加者からすれば、最初は「あれ、、、なに?」だったでしょうね(^^;)

繰り返しますが、これは実際にあった話です。

 

テレビ番組で「あの仕事の裏側」的なコーナーがあり、その中で「グルメリポーター」の裏側に迫っている回がありました。グルメリポーターと言っても、彦摩呂さんみたいなそれを本職にしている方ではなく、街の名物グルメを照会するコーナーを受け持っている、テレビ局付きの女子アナウンサーさんの仕事に密着していました。

彼女たちは芸能人のように、マネージャーが付いたりメークさんが付いたり、衣装さんが服を選んでくれたりするわけではないようです。基本的にすべて自分でやっているそうなんですが、今日のトピックを書こうと思ったのはその女子アナさんが服装について話した言葉が印象的だったから。

彼女いわく・・・ 「私の服は “食事の背景” です」と。自分が着たい服を着るのではなく、その日レポートする食事の色合いをイメージして、その食事を引き立たせる服を選んで着ているということです。これ、すっごいプロフェッショナリズムだなと思って、同時に、そんなところまで考えているとは思っていもいなくて、とても感心してしまいました。

 

そんな時に思い出したのが冒頭のパステルグリーンの通訳者さんの話だったんです笑。

フリーランス通訳者は確かに誰かに雇用されているわけではありません。上司もいません。自由にやりたいからフリーランスという道を選んだのかもしれません。そういう気持ちもあるとは思うのですが・・・

やっぱり、服装とかを含めたビジネスマナーというか、常識(← あいまいなので普段は使用を避ける語ですが)は、しっかりと踏まえておかないと、それだけで信頼感を損なってしまいます。

もちろん、「通訳者は地味な格好をしなさい」ということではありません。

あるラグジュアリーブランドのプレスリリースでの通訳において、黒い地味~な服装で通訳者が前に出ていたら、それだけで逆に悪目立ちしてしまいます。大切なのは、「場の空気を読み、乱さないように、調和するように意識する」ということ。

こうした「あたりまえでしょう?」と思えることでも、意外に気付いていない通訳者さんもいるっていうことは、こうしたことを外さないだけでも、余計なリスクを回避できるということ。ぜひ意識を。

 

そうそう、どんな服装で行けばいいか迷ったときは、通訳コーディネータに訊いてもいいですよ。正直なところ、僕はそうしたところに無頓着というか意識が回らなくて、通訳者さんに訊かれて助かった、ということもありますから・・・(^^;)

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