言ってもOK?「あの通訳者とは組みたくない…」
ブログ担当の酒井です。
ペアやチームで通訳に入ることもあると思いますが、長くやっていると、どうもあの通訳者さんと組むとやりにくい・・・あの通訳者さんとペアを組むの嫌だな・・・なんて相手はいませんか?
それ、クライアントに言ってもいいものでしょうか?
なんだか告げ口みたいな気もするし、仕事なんだから割り切ってやるしかない、、、なんて風に感じている、考えている通訳者さんも多いと思います。
それに、クライアントとの付き合いが、自分よりその相手の通訳者さんの方が長いとしたら、それを伝えることによって自分の仕事がなくなってしまうんじゃないか、なんて心配もあるかもしれません。
そもそも、もしかするとその通訳者さんと組むことはもうないかもしれないし、そしたら余計な波風(?)は立てない方がいいよね、と考えたり。
残念ながら「こうしたらいい!」という正解はありませんが、その通訳者さんと組むことで通訳のパフォーマンスが落ちてしまうとか、精神的な疲れが出て業務日以降も数日引きずってしまうとか、そうした影響が出るようなら通訳エージェントにそのことを伝えて今後は組ませないようにしてもらうのもアリだと思います。
どの通訳エージェントもそうしているかはわかりませんが、僕が勤めていた通訳エージェントの通訳者リストには、「NGパートナー」という項目がありました。
通訳者Aさんが通訳者Bさんとは組みたくない、と言ってきたときには、両方のNGパートナーの欄にお互いの名前が入ることになります。
これ自体は特に大きな問題になるわけではありませんし、通訳コーディネータも「そうなんだ」くらいの認識です。あう、あわない、相性あるよね、という感じです。
なので、とにかくひたすら我慢するべきというわけでもないですし、「あの通訳者さんとは今後ペアNGで」と伝えたからといって通訳コーディネータが「この通訳者さん面倒だなぁ」と思うわけでもありませんから、あまり心配しすぎることもないかと思います。
ただもちろん限度があるというか、何人もNGパートナーが付くようなことがあるとさすがに問題視されます。
ちなみにNGパートナーの欄にはNG相手の名前だけじゃなくて、どちらからNGと申し出てきたのかもメモとして残していました。
周りの通訳者からたくさんNGをもらう方は現場での態度に問題があるのかもという判断材料になりますし、逆に周りの通訳者にどんどんNGを出す方は「さすがにこの人の方に問題があるのでは?」なんて風にも考えられます。
とはいえ、NGが出た通訳者さんにはもう依頼しないかと言うとそうでもありません。
これは実際にいた通訳者さんですが、組んでもらった通訳者さんから妙にNGが出る方がいました。たぶん4、5人くらいからはもらっていたんじゃないでしょうか( ̄▽ ̄;)
しかしこの通訳者さん、クライアントからの評価はぜんぜん問題ないんですね。なので、この通訳者さんには1人体制の通訳案件だけを依頼するようにしていました。こんなケースもあるということです。
人間対人間のことですからどうしてもうまくいかない相手もいると思います。上手に付き合えれば何よりですが、そうもいかないケースもどこかで出てきますから、その際は「まあどうしてもなら言ってもいいんだ」くらいに考えていただいてもOKかと思います。