レストランリストを作るのは通訳者の仕事?

ブログ担当者の酒井です。

「魯肉飯(ルーローハン)」って知ってますか? 台湾を代表する大衆料理、「かけごはん」ですが・・・

この魯肉飯を食べ歩くのは通訳者の仕事でしょうか?

(おいしそう・・・)

 

これを読んでいるあなたが野球に興味があるかはわかりませんが、台湾の「王柏融」という選手に来てほしいと考えた日本ハムファイターズのことが記事になっていました。

日本ハムから交渉のための資料作成を任されたのは、入団2年目のデータ分析をするアナリストと1年目の通訳者だったそうです。

その二人は王選手のことを調べ上げ、107ページにもわたる資料 --- 記事では「ラブレター」と表現されていましたが --- を作成し、王選手の心を動かしたと。

以下、記事を引用します。

 

アナリストと通訳の手腕。

 そのアナリストは、考えに考えた。野球を人生の第一義としている王選手の琴線に触れるようなデータを抽出し、書面に落とし込んでいった。詳細をオープンにはできないが、ファイターズに王選手が必要であり、また適応できる、などといったメリットを、データなどで力説したのである。

 もう1人、通訳はガムシャラに動いていた。王選手が、台湾を代表する大衆料理の1つ「魯肉飯(ルーローハン)」が好物であるという情報をキャッチした。プライベートの時間に、札幌市内で「魯肉飯」を提供している店を食べ歩いたという。有名焼肉店でのバイト経験があり、若くして肥えた舌で吟味。自らチョイスした推奨店を、その資料へと列挙したのだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190104-00833082-number-base&p=2

 

さて、、、

この通訳者さんがやったこと、つまり、札幌市内で魯肉飯を提供している店を食べ歩いてリストにしたというのは、果たして「通訳者としての仕事」と言えるでしょうか? きっと多くの方が、「それは通訳者としての仕事の範疇を超えている」と考えるんじゃないでしょうか。

この記事を読んで「すごいな、この通訳さん」と思う人もいれば、「そんなの通訳者の仕事じゃない」「そんなことをやれって言われたらたまらない」なんて思う人もいるでしょう。どっちがいいとか悪いとかの話ではありませんが、、、

ただ、ひとつ心がけておくといいよね、と思うのは、通訳者は技術職・専門職としての側面が強い職業ですが、人を相手にする仕事ですから「サービス業」と位置づけることもできます。

実際にクライアントのためにどこまでサービスをするのか、どういう行動をするのか、というのは別の問題だとしても、「通訳はサービス業だ」という意識を持っている通訳者と、まったく持っていない通訳者と、どこかに違いは出てくるものです。

「通訳をすることだけが私の仕事」なんて思っていると、「通訳はしっかりやっているはずなのに・・・仕事の依頼が来ない」なんてことになってしまうかもしれません。

クライアントは「通訳」だけを見ているわけじゃありません。人柄や雰囲気といった、なかなか言葉にしにくいものも含めて「通訳者」というものを判断します。その辺もぜひ覚えておいてください。

 

P.S. 念のため、ですが、これはクライアントが言うなら従おう、とか、クライアントが喜ぶなら通訳以外のこともやりましょう、とか、そういう話じゃありません。サービス業にしたってクライアントの望みを全て叶えるなんてことはできないし、やる必要はないと思いますから。持つ意識の話です。

P.P.S. カセツウもコーチング、コンサルティングで人を相手にしていますから「サービス業」だと思ってやっていますよ。

 

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