ブランク15年 & 50歳から通訳再挑戦はできる?
ブログ担当の酒井です。
読者さんからの質問をいただきました。
15年くらいブランクがあったとして、それから50歳でやり直しするのは現実問題としてどんな障壁がありますか?
あなたはどう思いますか? 15年のブランク、そして50歳からの再挑戦。 具体的な状況はわかりませんが、なかなかタフそうだ、というのが多くの方が持つ印象ではないでしょうか。
じゃあ僕はどう思うか? まあ、確かにタフだと思います。一方で、ある通訳者さんのブログを思い出しました。もしかしたらあなたもご存知かもしれません、ブログ「50歳から始めた通訳訓練( http://shira-j.hatenablog.com/ )」です。ということは、「無理だよ」なんて誰も言えないわけです。ですが・・・
なんとなく、ご質問者は「努力次第!」といった建前的なことを聞きたいのではないだろうな、と感じました。質問の中に「現実問題として」とあるからです。
ということで、今日はザックリと書いちゃいましょう。
僕が通訳コーディネータとして「15年のブランクがある50歳の方」からの応募を受け取ったとしたら・・・
正直、あまり魅力を感じません。もう少し具体的に表現すると、「この通訳者に依頼する理由」が思い浮かびません。
語弊もありますが、通訳者は「たくさんいます」。通訳コーディネータは、いちいちそれを口に出したり意識したりはしていませんが、通訳者を手配する時は、常に「なぜ、データベースにたくさんいる通訳者の中からこの通訳者に依頼するべきなのか」を考えています。
「以前も同じ案件をお願いしたから」
「クライアントからのご指名だから」
「いつも評判がいいから」
「以前、急ぎの案件で助けてくれたから」
「他の通訳者より通訳レートが低いから」
「経歴が面白そうだから(試したい)」
「(通訳学校を運営している通訳エージェントの場合)うちの通訳学校を卒業したから」
いろんな理由がありますが、いずれにせよ、「理由なく選ぶ」ことはありません。繰り返しますが、通訳コーディネータ自身が自覚していないとしても、必ず理由があります。
じゃあ、「15年間ブランクがある50歳の通訳者」に依頼する「理由」は? 先週依頼した通訳者ではなく、その通訳者に依頼する「理由」は? なかなか思いつきません。少なくとも、僕はいまの時点でこの方のことを知らないからです。
・・・ここまで書きましたが、この話のポイントはわかりますでしょうか。
「タフですね」「不利ですね」ということを伝えたいわけじゃないんです(きっと「やっぱり難しいか・・・」と受け取ったかと思いますが)。僕が上に書いたことから受け取って欲しいことは、「依頼される理由を作れ」ってことです。
別に15年ブランクがあろうが、50歳だろうが、「通訳を依頼する理由」さえあればそんなものは関係ありません。じゃあブランクがない、例えば通訳学校を卒業したての人なら依頼されるのか、50歳じゃなく30歳なら依頼されるのか、そんなことはありません。結局、ブランクの有無、年齢、そんなことは関係なく「依頼される理由」が重要だということです。
ただし、一般的な印象として、「50歳の通訳者は30歳の通訳者より体力がない、記憶力等も落ちているだろう」と思われることもあるでしょうし、「ブランクがあると通訳スキルは落ちている」と思われるのも普通にあるでしょう。だから、やっぱりそのままだと不利です。不利ですが・・・
それでも頑張ってみるのか、じゃあやめた、と諦めるのか、それはどちらでも選べます。選べますし、、、「通訳以外の語学力を活かす道」を考えてみるという選択肢もありますね。いずれにせよ、カセツウならサポートができますよ(宣伝・笑)。