キレない技術

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カセツウ通信 2023.2.7(火)
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関係ない話ですが、家人を駅まで
車で送る途中、曲がり角で車を
ガリっと、、、

あ~あ、あぁあ~あ、って感じ。。。

 

さて、僕なりにキレない技術、
というか、こうすればキレずにすむ、
って方法は持っています。

「これをやるだけで」ってものでもないし
「そうすればいいんですね!」で
できるものでもないかもしれませんが。

ポイントは「理解」です。
相手の価値観、感覚を「理解」する、
理解しようとする、納得はできなくても
理解しようとする、これに尽きます。

何回も書いてる気がしますが、
「認知症世界の歩き方」
「ぼけますから、よろしくお願いします」
こうした本を読んでいるのも、
もし家族がそういう状態になったとしても
「理解」さえあれば、ともすれば
「どうして!?」ってイラついてしまいそうな
状況に出会っても、「そういうもんだよね」
と捉えることができるんじゃないか、
そう思っているからですね。

 

今日このことをまた書いているのは、
昨日読み終わった本もやっぱりそういう
ことを思わせてくれたからです。

本のタイトルは「映画を早送りで観る人たち」

いや~、良かったです、この本。

タイトルだけで「え~?信じられん!」と
いった反発、違和感を持つ方も多そうです。
特に映画好きを自認するようなら。

逆に「え?普通にやるけど?何が悪いの?」
と思う方もいるかもしれません。

Amazonの紹介文を記載しておきます。

なぜ映画や映像を早送り再生しながら
観る人がいるのか――。なんのために?
それで作品を味わったといえるのか?

著者の大きな違和感と疑問から始まった
取材は、やがてそうせざるを得ない切実さが
この社会を覆っているという事実に突き当たる。

一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか?
いま映像や出版コンテンツはどのように
受容されているのか?あまりに巨大すぎる
消費社会の実態をあぶり出す意欲作。

印象に残ったキーワードを抜粋します。

「手っ取り早く答えを知りたい」
「間違えたくない、損したくない」
「無駄を極度に恐れる」
「映画を観てモヤモヤなんてしたくない」
「わかりやすくないとウケない」
「説明されてない背景なんて考えたくない」
「わかんなかった(だから、つまらない)」
「お楽しみは後に取っておくでは観てくれない」
「ストーリーや結末を調べてから観るか決める」
「ネタバレよりも損をしない安心感が大事」
「想定外はストレス」
「1秒でも早く“答え”にたどり着きたい」
「感情を節約したい」

、、、。

補足しておきますが、この本の著者も、
こういう主張や考え方、世代、感覚を
嘆かわしい、ダメだ、と切り捨てている
わけではありません。こういう感覚が
主流になっていくのは止められない、
であれば作り手側もその事実を認めて
いくことを考えていかねば
ならないんじゃないか、と書いています。

本書から一部を抜粋します。

つまるところ倍速視聴は、時代の必然とでも呼ぶべきものだった。人々の欲求がインターネットをはじめとした技術を進化させ、技術進化が人々の生活様式を変化させる。その途上で生まれた倍速視聴・10秒飛ばしという習慣は、「なるべく少ない原資で利潤を最大化する」ことが推奨される資本主義経済下において、ほぼ絶対正義たりうる条件を満たしていたからだ。本書序章の最後で筆者は、「同意はできないかもしれないが、納得はしたい。理解はしたい」と記した。たしかに、多くの人が倍速視聴せざるをえない背景には納得した。倍速視聴がどのようにして必然を獲得したかも理解した。ただ、それでもやはり思うのだ。

稲田 豊史. 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレコンテンツ消費の現在形~ (Japanese Edition) (p.291). Kindle 版.

「それでもやはり思うのだ」の後に続く
言葉はご自身で読んでいただければ。

 

「同意はできないかもしれないが、
納得はしたい。理解はしたい」

まさにこの考え方こそが普段から僕が
念頭に置いていること、だなぁ、と。

カセツウ
酒井

 

P.S.
実は僕自身、、、
すべての映画ではありませんが
早送りで観ることもあるし、
ジムのランニングマシンで走りながら
たくさんの映画を「消費」しています。

だからこそ「そんなのダメだ!」
なんて言えないんですよね笑

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