通訳者として活躍していくために必要な3つの要素 – 3

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成功するマインドセットを身に着けるには

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「マインドセットがどういうものかはわかった(気がする)」
「ヘリクツっぽいけど、納得できる部分もある」
「失敗がなくなって落ち込まなくなったら確かに嬉しい」

いろんな捉え方ができると思いますが、ここまで読んでくださっているということは、どこか納得いただいているから…ですよね?

では、「マインドセットの身に着け方」を説明していきます。

好ましいマインドセットを身に着けるいちばんの方法は、「好ましいマインドセットに触れ続ける」ことです。触れ続けるのは実際に会う、話をする、話を聞く、という方法もあれば、そのマインドセットの持ち主が発信している情報に触れるという方法もあります。とにかく、リアルでもリアルじゃなくても、「好ましいマインドセットのシャワーを浴びる」ということです。

マインドセットのシャワーを浴びる

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「情報のシャワーを浴びる」なんて表現があります。とにかく情報に身をさらしていれば、少しずつそのエッセンスが染み込むように自分の中に入っていき(インプット)、そのうち自分のものとなってあふれていく(アウトプット)という考え方です。

外国語学習においても、「英語のシャワーを浴びる」なんて表現は聞いたことがあると思います。英語を流すように聞きまくることをこう表現したり、留学などで外国に行ってしまえば四六時中、外国語のシャワーを浴びることになるので上達が早い、と言われます(この学習法の効率は意見のわかれるところのようですが…)。

「マインドセットのシャワー」も同じ考え方です。

「考え方を変えなさい」なんて言われても、「はい、変えます」なんてすぐに変わるようなものではありません。例えば「会社をクビになった」としたら、やっぱり落ち込んだり自信を無くしたり将来に不安を感じたりするのが一般的です。「新しいチャレンジができて良かったね、悩む必要がなくてよかったね」なんてそうそうすぐに解釈できるものではありません。「そう解釈した方がいいよ」「はい、そうします」とはいきません。

なぜなら、いまのマインドセットそのものが、これまであなたが生きてきた年数で培われてきたマインドセットだからです。数十年かけて、意識的、無意識的にあなたの「解釈のスタイル」が作り上げられてきました。その数十年かけて作り上げられてきたマインドセットを変えていくにはやはり時間がかかります。意識していないと、すぐに「これまでのマインドセット(無意識、潜在意識)」に戻ってしまいます。

植木に水をやり続けて大切に育てるように、マインドセットも正しい水(好ましいマインドセット)をやり続けて、ようやく芽を出し、育ち始めます。根気よく取り組むことが必要です。

 

マインドセットがセルフイメージを作る

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セルフイメージとは、「自分のことをどんな人間だと思っているか」です。あなたが、あなた自身のことを、どんな人間だと思っているか。そして、マインドセットがあなたのセルフイメージを作ります。正確には、作り変えることができます。

持っているセルフイメージによってこんなことが起こります。

「私は通訳者としてまだまだスキルが足りない」というセルフイメージを持っていたとしたら?もしクライアントに「通訳、お上手ですね、助かりました」なんて言われても、「私はまだまだ」というセルフイメージがあるので、その言葉を素直に受け取ることができません。「気を遣ってくれているんだな、社交辞令だろうな」なんて捉えます。

「私は通訳者としてまだまだ修行中だがどんどん成長している」というセルフイメージを持つ通訳者が同じ言葉を聞いたとしたら、きっと素直に「ありがとうございます。もっと頑張ります、もっと成長します」と受け取るのではないでしょうか。

クライアントとしては、どちらが嬉しいでしょうか?どちらの通訳者と今後も付き合っていきたいでしょうか。どちらのセルフイメージの方が、より通訳のスキル向上へのモチベーションが高く保てそうでしょうか。後者のセルフイメージを持つ通訳者です。

そして、セルフイメージは行動を変えます。

「誠実で、一生懸命に努力する」セルフイメージを持つことにより、「行動」もそのセルフイメージに近付いていきます。もともと「私は怠け者で、何をやっても長続きしない」というセルフイメージを持っている人間が、そのセルフイメージのままで何か新しいことに取り組んだとしても、長続きしないでしょう。なぜなら「何をやっても長続きはしない」と自分で自分に宣言しているからです。

人間の脳は、本能で自分を正当化しようとします。生存本能、自分を守るためです。つまり、自分で「自分はできない人間だ」と思っていると、「自分が正しい(=自分はできない)」ことを証明する必要があるので、「行動」をその「信念(自分はできない)」にあわせようとする。これがセルフイメージと行動の関連性です。ところが、面白いもので…

 

先に行動を変えてもマインドセットやセルフイメージを変えることができる

逆説的なようですが、先に「行動」を先に変えることでマインドセットやセルフイメージを変えることもできます。最初は自分に自信が持てない状態だったとしても、小さな成功体験(行動)を積み重ねることで、最初は弱くすぐに折れそうだった自信が、少しずつ強く太く、本当の自信に変化していきます。マインドセットを変えるのは時間も労力もかかりますが、ちょっとした行動を変えるのはちょっとした意識や努力があれば変えることができます。マインドセットはセルフイメージを作り、セルフイメージは行動を作りますが、行動を変えることでマインドセットやセルフイメージを変えることができます。

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マインドセット > スキルセット > ツールセット

これまで3つの要素について説明してきました。改めて関係をまとめると…

 

Mindsets

  1.  通訳者として望ましいマインドセット
    クライアントに貢献するという気持ち、常に努力、研鑽を積むという気持ち、ホスピタリティなどなど、マインドセットは価値観なので、あなたが大切にしたいマインドセットをベースにして強化していきましょう。
  2. 通訳者として必要なスキルセット
    通訳スキル、コミュニケーションスキル、セールススキル、マーケティングスキル、パソコンスキル、情報発信スキル…通訳スキルだけではダメということはもう伝わったと思います。
  3. 通訳者として活用すべきツールセット
    名刺、履歴書、通訳実績表、スマホやタブレット、SNS、ブログやHP、メモとペン、キャリアケース、パナガイド、など、あらゆるツールを活用すれば効率的な仕事ができます。

 

これら3つの要素をバランスよく身に着けることが、通訳者として成功するために重要なことだとお伝えしてきました。この点に納得していただけるようなら幸いです。そして、納得できたとして…

 

どのように身に着けていくのがいちばんの近道か?
続いて説明させてください…

 

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