通訳者・翻訳者の相談窓口『カセツウ』
元・通訳翻訳コーディネータが通訳者・翻訳者のあらゆる相談に乗っています
通訳者として活躍していくために必要な3つの要素
通訳者として活躍するためには、何が必要でしょうか？
まず、通訳スキルは当然必要ですね。
では、それ以外は…？
44ヶ国語に翻訳され、全世界で2,000万部、
日本でも累計130万部が売り上げられている
歴史的なベストセラー 『７つの習慣』。
その著者であるスティーブン・R・コヴィー博士はこう言います。
『あらゆることで成果を出すためには、以下の３つが揃っていなければいけない』
その３つの要素とは…
1. マインドセット
2. スキルセット
3. ツールセット
この３つの要素です。
それぞれ解説していきます。
1. マインドセット
マインドセットとは、ザックリといえば価値観、考え方、という意味です。
過去の経験、教育、先入観などから形づくられています。
信念、と表現することもできれば、思い込み、と表現することも。
他にもモノの見方、パラダイム、思考パターン、などとも言われます。
何か事象・出来事が起きた時に、どう考えるか？
どう捉えるか？は、マインドセットによって左右されます。
なかなか仕事がうまくいかない時に、
『こんなに頑張ってるのになんでうまくいかないんだ』 と考えるか、
『すべて自分の行動の結果。これからどうするかを考えよう』 とするか、
受け止め方も、この後の行動もまったく違ってきます。
仕事の場合、
『なぜ、この仕事をしているのか』
『何を大切にしたいのか』
『譲れないものは何か』
なんてことがマインドセットになります。
酒井の場合は、コーチとしてこんなことを大切に考えています。
『あなたもOK、僕もOK、皆、そのままでもOK。その上で、本当はどうしたいのか?』
『すべては、選択。悲しむこともできるし、落ち込むこともできる。喜ぶことだってできるはず』
『”本当にしたいこと”を知ったうえで、やるのか、やらないのかを選べばいい。やってもいいし、やらなくたっていい』
『すべての人はヒーロー、ヒロインである』
『自分の親、家族、子供に胸を張れる、誇ってもらえる仕事をする』 （いま子供いませんけどね(^_^;)）
３つの要素の中でも、すべての土台になるのがこのマインドセットです。
2. スキルセット
次に、スキルセット。
これはそのまま、技能・技術のことです。
知識やノウハウもここに含みます。
通訳者にとって非常に重要な 『通訳スキル』 がまさにこのスキルセットに含まれます。
他にも、こんなスキルが必要になってきます。
- クライアントやパートナー通訳者との関係を作る対人関係スキル
（コミュニケーションスキル、ソーシャルスキル）
- 仕事を獲得するための営業スキル、セールススキル、マーケティングスキル
- SNSやブログ、HPなどのメディアを使いこなす情報発信スキル
- iPhone、スマホ、アプリその他ガジェット類を効率的・効果的に使いこなすITスキル
などなど…
ひと昔前の通訳者は、『通訳スキル』 さえあれば良かったのですが、もうそれでは通用しません。大御所の通訳者が現場でふんぞり返って 『あの人、通訳スキルは高いんだけど…』 なんて言われてるのを見たら、通訳スキル以外の要素で大御所より選ばれる通訳者になれる可能性は十分あるということです。
そして、ほとんどのスキルは、修練、努力によって習得・向上させることができます。
3. ツールセット
最後に、ツールセット。
道具、環境などです。
通訳者で言えば、
- 通訳時に使用するツール：
パナガイド、イヤホン、お気に入り（書きやすい）ノートやペン、辞書等
- スケジュールやデータの管理に使用するツール：
今ではスマホやタブレット、スケジュールアプリや、DropBox や Evernote のようなオンラインストレージなど、使えるかどうかで効率に差がつくツールも増えてきています。
- マーケティングのためのツール：
履歴書、通訳実績表、名刺、法人なら会社案内、さらにホームページやブログ、FacebookページやLinkedIN等のSNS、メディアも今日では非常に重要なツールです。
- 環境・仲間：
通訳エージェントや通訳学校、通訳者仲間や友人など、付き合う仲間や環境もここではツールとして考えます。
通訳者の数が増え、『通訳さえしていればいい』 という時代が終わり。
『差別化』 や 『自分・情報発信』 をしないと選ばれなくなってしまった現在、ツールを使いこなすことも比例的に重要性が高まっています。
マインドセットやスキルセットが自分の内面で 『身につける、習得する』 のに比べて、ツールセットは外から持ってきたり買ってきたりして手に入れることができます。
1. マインドセット
2. スキルセット
3. ツールセット
以上３つが、成果を出すために必要な３つの要素です。
では次に、それぞれの関係性を整理してみます。
３つの要素の重要度
1. マインドセット → 2. スキルセット → 3. ツールセット
もっとも大切で、すべての土台になるのがマインドセット。
スキルセットとツールセットがその上に乗ります。図にするとこうなります。
マインドセットがもっとも大切と書いた通り、マインドセットがその他のスキルセット、ツールセット、またセットにかかわらず 『すべてのこと、すべての行動』 に影響を与えます。マインドセットという土台がしっかりと構築されていないと、その上にあるスキルセット、ツールセットは 『砂上の楼閣』 となってしまいます。
つまり、いかにスキルを磨き、高いスキルを身につけたとしても、その土台のマインドが悪いとそのスキルは使いこなせません。いえ、『使いこなせない』 というよりも、『価値を提供できない』 という表現の方が正確かもしれません。
他者に主張をわかりやすく説明し、理解させ、納得させ、行動を促す 『プレゼンスキル』 を例にとります。
もし、その土台になっているマインドセットが 『詐欺師のマインドセット』 だったとしたら？いかに高いプレゼンスキルでも、価値を生み出すどころか、他社の価値を奪い取る、盗み取る結果になります。
が、土台に 『誠実なマインドセット』 があったとしたら？その人は高いプレゼンスキルを活用して、多くの人間を救う誠実な政治家になるかもしれませんし、偉大な実業家、起業家となるかもしれません。
これが、スキルセットよりもツールセットよりもマインドセットが大切だという理由です。
次にスキルセットとツールセット。
このふたつはシンプルです。
いかに良いツールを手に入れても、使いこなすスキルがないと宝の持ち腐れになります。車の免許（＝運転スキル）も持っていない人がフェラーリを手に入れたら、うまく乗りこなすことができるでしょうか？できるわけがありませんね。
そして、マインドセット ＞ スキルセット ＞ ツールセット の関係性をご理解いただいたところで、お伝えしたいことがあります…
それは、『手に入りやすさは順番が逆』 だということ。
３つの要素の手に入れやすさ
1. ツールセット → 2. スキルセット → 3. マインドセット
世の中は概してそうだと言うこともできますが…
いちばん大切なものほど手に入れるのに苦労します。
まず、ツールセット。
上の方でもこのように書きました。
マインドセットやスキルセットが自分の内面で 『身につける、習得する』 のに比べて、ツールセットは外から持ってきたり買ってきたりして手に入れることができます。
そうなんです。
『ツールセット』 は、買ってきたりもらってきたりすれば、手に入ってしまいます。もちろん、高い、安い、在庫が多い、少ない、などあるとは思いますが、手に入れようと思えば今日明日にでも手に入れることができます。
amazon で発注すれば、ほとんどのものは今日か明日には、皆さんの手元に商品＝ツールが届きます。アプリならダウンロードすれば数十秒で手に入ります。ツールはもっとも手に入れやすいんです。
そして、ツールは便利です。
便利なので、ついつい、頼ってしまいます。
さらに、効果を実感するにも時間がかかりません。
使った瞬間に 『こんな便利ならもっと早く使えばよかった！』 と思ったこともあるでしょう。
それほどに、すぐに手に入り、便利で、効果を実感できるのがツールの良いところです。
ただ、この手に入れやすさ、そして便利さ、効果の出やすさこそが、注意するべき点ということを覚えておいてください…
次のページでは、３つの要素それぞれについてさらに解説していきます…
通訳者として活躍するためには、何が必要でしょうか？
まず、通訳スキルは当然必要ですね。
では、それ以外は…？
44ヶ国語に翻訳され、全世界で2,000万部、
日本でも累計130万部が売り上げられている
歴史的なベストセラー 『７つの習慣』。
その著者であるスティーブン・R・コヴィー博士はこう言います。
『あらゆることで成果を出すためには、以下の３つが揃っていなければいけない』
その３つの要素とは…
1. マインドセット
2. スキルセット
3. ツールセット
この３つの要素です。
それぞれ解説していきます。
1. マインドセット
マインドセットとは、ザックリといえば価値観、考え方、という意味です。
過去の経験、教育、先入観などから形づくられています。
信念、と表現することもできれば、思い込み、と表現することも。
他にもモノの見方、パラダイム、思考パターン、などとも言われます。
何か事象・出来事が起きた時に、どう考えるか？
どう捉えるか？は、マインドセットによって左右されます。
なかなか仕事がうまくいかない時に、
『こんなに頑張ってるのになんでうまくいかないんだ』 と考えるか、
『すべて自分の行動の結果。これからどうするかを考えよう』 とするか、
受け止め方も、この後の行動もまったく違ってきます。
仕事の場合、
『なぜ、この仕事をしているのか』
『何を大切にしたいのか』
『譲れないものは何か』
なんてことがマインドセットになります。
酒井の場合は、コーチとしてこんなことを大切に考えています。
『あなたもOK、僕もOK、皆、そのままでもOK。その上で、本当はどうしたいのか?』
『すべては、選択。悲しむこともできるし、落ち込むこともできる。喜ぶことだってできるはず』
『”本当にしたいこと”を知ったうえで、やるのか、やらないのかを選べばいい。やってもいいし、やらなくたっていい』
『すべての人はヒーロー、ヒロインである』
『自分の親、家族、子供に胸を張れる、誇ってもらえる仕事をする』 （いま子供いませんけどね(^_^;)）
３つの要素の中でも、すべての土台になるのがこのマインドセットです。
2. スキルセット
次に、スキルセット。
これはそのまま、技能・技術のことです。
知識やノウハウもここに含みます。
通訳者にとって非常に重要な 『通訳スキル』 がまさにこのスキルセットに含まれます。
他にも、こんなスキルが必要になってきます。
- クライアントやパートナー通訳者との関係を作る対人関係スキル
（コミュニケーションスキル、ソーシャルスキル） - 仕事を獲得するための営業スキル、セールススキル、マーケティングスキル
- SNSやブログ、HPなどのメディアを使いこなす情報発信スキル
- iPhone、スマホ、アプリその他ガジェット類を効率的・効果的に使いこなすITスキル
などなど…
ひと昔前の通訳者は、『通訳スキル』 さえあれば良かったのですが、もうそれでは通用しません。大御所の通訳者が現場でふんぞり返って 『あの人、通訳スキルは高いんだけど…』 なんて言われてるのを見たら、通訳スキル以外の要素で大御所より選ばれる通訳者になれる可能性は十分あるということです。
そして、ほとんどのスキルは、修練、努力によって習得・向上させることができます。
3. ツールセット
最後に、ツールセット。
道具、環境などです。
通訳者で言えば、
- 通訳時に使用するツール：
パナガイド、イヤホン、お気に入り（書きやすい）ノートやペン、辞書等 - スケジュールやデータの管理に使用するツール：
今ではスマホやタブレット、スケジュールアプリや、DropBox や Evernote のようなオンラインストレージなど、使えるかどうかで効率に差がつくツールも増えてきています。 - マーケティングのためのツール：
履歴書、通訳実績表、名刺、法人なら会社案内、さらにホームページやブログ、FacebookページやLinkedIN等のSNS、メディアも今日では非常に重要なツールです。 - 環境・仲間：
通訳エージェントや通訳学校、通訳者仲間や友人など、付き合う仲間や環境もここではツールとして考えます。
通訳者の数が増え、『通訳さえしていればいい』 という時代が終わり。
『差別化』 や 『自分・情報発信』 をしないと選ばれなくなってしまった現在、ツールを使いこなすことも比例的に重要性が高まっています。
マインドセットやスキルセットが自分の内面で 『身につける、習得する』 のに比べて、ツールセットは外から持ってきたり買ってきたりして手に入れることができます。
1. マインドセット
2. スキルセット
3. ツールセット
以上３つが、成果を出すために必要な３つの要素です。
では次に、それぞれの関係性を整理してみます。
３つの要素の重要度
1. マインドセット → 2. スキルセット → 3. ツールセット
もっとも大切で、すべての土台になるのがマインドセット。
スキルセットとツールセットがその上に乗ります。図にするとこうなります。
マインドセットがもっとも大切と書いた通り、マインドセットがその他のスキルセット、ツールセット、またセットにかかわらず 『すべてのこと、すべての行動』 に影響を与えます。マインドセットという土台がしっかりと構築されていないと、その上にあるスキルセット、ツールセットは 『砂上の楼閣』 となってしまいます。
つまり、いかにスキルを磨き、高いスキルを身につけたとしても、その土台のマインドが悪いとそのスキルは使いこなせません。いえ、『使いこなせない』 というよりも、『価値を提供できない』 という表現の方が正確かもしれません。
他者に主張をわかりやすく説明し、理解させ、納得させ、行動を促す 『プレゼンスキル』 を例にとります。
もし、その土台になっているマインドセットが 『詐欺師のマインドセット』 だったとしたら？いかに高いプレゼンスキルでも、価値を生み出すどころか、他社の価値を奪い取る、盗み取る結果になります。
が、土台に 『誠実なマインドセット』 があったとしたら？その人は高いプレゼンスキルを活用して、多くの人間を救う誠実な政治家になるかもしれませんし、偉大な実業家、起業家となるかもしれません。
これが、スキルセットよりもツールセットよりもマインドセットが大切だという理由です。
次にスキルセットとツールセット。
このふたつはシンプルです。
いかに良いツールを手に入れても、使いこなすスキルがないと宝の持ち腐れになります。車の免許（＝運転スキル）も持っていない人がフェラーリを手に入れたら、うまく乗りこなすことができるでしょうか？できるわけがありませんね。
そして、マインドセット ＞ スキルセット ＞ ツールセット の関係性をご理解いただいたところで、お伝えしたいことがあります…
それは、『手に入りやすさは順番が逆』 だということ。
３つの要素の手に入れやすさ
1. ツールセット → 2. スキルセット → 3. マインドセット
世の中は概してそうだと言うこともできますが…
いちばん大切なものほど手に入れるのに苦労します。
まず、ツールセット。
上の方でもこのように書きました。
マインドセットやスキルセットが自分の内面で 『身につける、習得する』 のに比べて、ツールセットは外から持ってきたり買ってきたりして手に入れることができます。
そうなんです。
『ツールセット』 は、買ってきたりもらってきたりすれば、手に入ってしまいます。もちろん、高い、安い、在庫が多い、少ない、などあるとは思いますが、手に入れようと思えば今日明日にでも手に入れることができます。
amazon で発注すれば、ほとんどのものは今日か明日には、皆さんの手元に商品＝ツールが届きます。アプリならダウンロードすれば数十秒で手に入ります。ツールはもっとも手に入れやすいんです。
そして、ツールは便利です。
便利なので、ついつい、頼ってしまいます。
さらに、効果を実感するにも時間がかかりません。
使った瞬間に 『こんな便利ならもっと早く使えばよかった！』 と思ったこともあるでしょう。
それほどに、すぐに手に入り、便利で、効果を実感できるのがツールの良いところです。
ただ、この手に入れやすさ、そして便利さ、効果の出やすさこそが、注意するべき点ということを覚えておいてください…
次のページでは、３つの要素それぞれについてさらに解説していきます…
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